二百三高地のレビュー・感想・評価

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二百三高地

劇場公開日 1980年8月2日
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旅順要塞攻略戦~“戦争”に翻弄された人々の物語 ネタバレ

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DVDで2回鑑賞。思い出しレビューです。

日露戦争の陸戦において、最も過酷な戦闘となった旅順要塞攻防戦を描く超大作。

司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読みドラマも観て、日露戦争に興味が出て来た頃、東宝の「日本海大海戦」と共に本作の存在を知りました。
「坂の上の雲」でも、旅順要塞や二百三高地に関する記述は相当なボリュームだし、いかに苛烈で凄惨を極めた戦いだったかが窺えました。
本作もそれに負けず劣らず、乃木希典などの司令部、現場の兵士たち、その帰りを待つ人々の視点を交互に織り混ぜながら、この日露戦争での重大なターニングポイントとなった戦闘を描いていて、心を揺さ振られました。

教科書通りの戦術セオリーに忠実に乗っ取り、作戦を立案する伊知地参謀の意見を汲み、正面突撃を敢行するも、トーチカからの機銃掃射の雨あられを浴び、毎日多大な犠牲者が出てしまいます。苦悩する乃木ですが、要塞に正面突撃なんかしたらどうなるか、子供にも分かりそうなものです。
そして、起死回生の一手として、“白襷隊”を組織し夜間の奇襲を行うも、全滅するという有名な悲劇も生んでしまいました。夜陰に隠れて攻撃するのは良いですが、白は闇の中に浮かび上がる色…。格好の標的です。起こるべくして起こった悲惨な出来事ではないかな、と。
しかも、伊知地は榴弾砲の設置位置も教科書通りに行いますが、要塞はまさかの射程外で砲弾が届かないという情けなさ。
そんな体たらくでも参謀の意見に従った乃木を、司馬遼太郎は「無能な大将だ」と言わんばかりに糾弾していましたが、本作を観て、決して無能だったわけでは無いのではないかな、と思いました。
司令官が参謀の立案する作戦にケチばかり付けていては、士気にも関わって来ますし、参謀は作戦立案のスペシャリストの立場であるため、その意見を取り入れるというのは、司令官として正しい行いだったんじゃないかな、と。しかし、あまりにもあまりある場合はきちんと意見すべきだろうし、そこは乃木自身の性格が災いしたのかなぁ、とも感じました。

旅順港閉塞作戦に失敗し、天然の良港である旅順港に隠れている旅順艦隊を叩くには、もはや二百三高地からの砲撃しか無いと考える海軍からのプレッシャーもあり、乃木の苦悩は深まるばかり。
現状を見かねた総司令官の児玉源太郎が、ついに旅順へとやって来ます。現場の司令官である乃木を飛び越えて直接戦闘の指揮を執ります。榴弾砲の位置を前進させ砲撃を容赦無く加え、効率的な歩兵運用をした結果、何日掛けても落とせなかった二百三高地をあっという間に占領します。「そこから旅順港は見えるか!?」「見えます!」のシーンに感動しました。
セオリーばかりに乗っ取っていてはダメだ、という教訓ですねぇ…。ときには型破りも必要なんだな、と。しかし、このときの乃木の心中は如何ばかりか…。親友の児玉への感謝と共に、死んでいったふたりの息子や兵士たちのことを想い、有名な「爾霊山」の詩をしたためました…。明治天皇に旅順攻撃の報告を上奏する際に流した涙が、彼の想いの全てを表しているようで、心が締め付けられました(実際には、涙は流していないそうです…)。

司令部の迷走の煽りを食らうのは、現場の兵士たちです。あおい輝彦の部隊の群像が描かれました。過酷な戦場において、次々に戦友が散り、明日は我が身かと怯えながら、旅順の寒さに震える日々。
日本で帰りを待ってくれている愛する人々のため、彼らは戦い続けました。お国のため、というのもあったのかもしれませんが、本当は国なんかより、大切な人のことを守りたい、その一心だったのではないかな、と感じました。

そんなあおい輝彦の帰りを待つ夏目雅子が美しい限り。懸命に留守を守る彼女の姿から、これもひとつの戦争だな、と思いました。
国体の全てを掛けて、ギリギリの状態で臨んでいた日露戦争。その皺寄せは市井の生活に影響し、こっちもギリギリの状態だったのではないかな、と。それでも耐えれたのは、愛する人が帰る場所を守りたいという想いかもしれないなぁ、と思うと胸が熱くなりました…。

「防人の歌」がとても印象に残りました。まさに名曲…。

syu-32
syu-32さん / 2019年3月2日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  悲しい 興奮
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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大作で名作

日露戦争の決定機のひとつが壮大に描かれている。
一見の価値あり

いもりり
いもりりさん / 2018年8月8日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  怖い
  • 鑑賞方法:-
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愛は死にますか 心は死にますか。

夫婦の契りを結んだ恋人を、日露戦争における激戦地・二百三高地で亡くした夏目雅子扮する小学校の教師が、教室の黒板に「美しい國ロシア」と書けなくなってしまう時の演技に臭みが一切ない。
自然に涙が溢れた。
戦争とは、遺された者の清らかな心までも蝕んでいくものなのだ。

2018年3月4日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 悲しい 怖い
  • 鑑賞方法:映画館
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一度は観て欲しい ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

戦争において各目線での辛さが描かれた力作だとおもう。

現場上層部(乃木希典etc)は、本部と現場の板挟み、部下の死による自責の念に苦しみ、
現場(主人公)は、仲間の死や、今までの価値観の崩壊、上層部への猜疑心、家族の不安抱え、
日本に残された人達は、送り出した人が帰らぬ人となったことに深い悲しみを覚えている。

しかし誰も私利私欲のために戦争をしているのではなく、
日本を守るため必要に駆られている様が冒頭で丁寧に説明されているため、
それが余計に本作品の悲しさや辛さを助長している。

日本戦争映画の傑作のため、是非とも一度観ることをお勧めする。

いわ
いわさん / 2017年10月8日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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戦争の凄まじさが味わえた ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

日露戦争(1904年02月~1905年09月)の戦争の凄まじさが味わえた。
それだけでも大満足な作品。

乃木希典大将の登場シーンで敬礼するシーンでは、乃木希典の良い人柄がわかるシーンとなっている。
愚将とも言われている乃木大将ですが、この作品では好人物として描(えが)かれていて観ていてキツクなることもなかったな。

ロシア兵が酒を上から降ろして日本兵に渡すシーンなんかは、激しい戦闘シーンの中でほのぼのとなった。

小賀武志(主人公)が戦地で帰らぬ人となる。ところなど安易なハッピーエンドにしていないことにも好感を持ちました。
(映像で)夏目雅子を久々に見たんでが、やっぱり美人さんですなー(笑)。

不死鳥
不死鳥さん / 2017年8月29日 / PCから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  興奮
  • 鑑賞方法:DVD/BD
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海ゆかば

対象年齢・・全年代
どんな人と見る・・全てOK
感動・・考えさせられる
ハンカチ・・要りません
DVD出たら・・観ます
他人には・・勧めます
総評・・

今、何事も無かったかのように平和な暮らしに浸っている私たち。
この平和の礎に、私たちの多くの祖先の血が流されたことを決して忘れてはいけない。
戦争はけして起こしてはいけないが、それを隣国が許してくれない。
東南アジアは欧米に蝕まれ、中国は欧・ロシアの進行で朝鮮半島まで・・・。
朝鮮半島がロシアの手に落ちたら次は日本。
日本まで落ちたら、アジア圏は全て欧米露の植民地に成り下がる。

そういう時代背景をもう一度日本人として勉強し直さないといけない。
靖国神社も含めて・・。

辛口マン
辛口マンさん / 2016年7月1日 / PCから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  怖い 難しい
  • 鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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小さい頃にテレビで見た記憶

大きくなり、あの映画をもう一度見たいと思ったが、タイトルがわからず戦争映画を何本も借りて、ようやく見つけ出した作品です。

佐ぶ
佐ぶさん / 2013年10月12日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  泣ける 悲しい
  • 鑑賞方法:TV地上波
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兵士の悲惨な戦いと将軍の苦悩

総合:85点
ストーリー: 85
キャスト: 80
演出: 85
ビジュアル: 75
音楽: 75

 戦場における一人一人の兵士たちの苦しみや心身の傷だけでなく、戦争に来る前のそれぞれの事情。そのようなことが丁寧に描かれている部分が、戦争の生臭さや残酷さをうまく表現している。風景も本当に寒そうで厳しそう。例え戦争などしていなくても、死ぬかもしれない戦いを前に厳しい寒さに耐えている兵士を見るだけで、十分にその辛さが伝わってくるというもの。さだまさしの悲しい歌がそれを盛り上げる。

 さて、乃木神社というのが軍神として乃木希典将軍を祭った神社だというのを知ったのは、物心ついたころ。神社にまでなるのだからたいそう立派な将軍だったのだろうと、なんとなく昔は思っていた。彼は清廉な人格者だと言われる。
 しかし将軍としては、この映画のように準備万端の鉄壁の敵要塞に、正面からただ貧弱な武装の無力な歩兵を突撃させ続けるという、要塞攻略戦において最もやってはいけない作戦を採用した。そして多くの将兵をひたすら無駄に死においやったという、とてつもない愚鈍な駄目将軍。まさに一将功成りて万骨枯るである。近年は彼の軍功や能力について疑問を投げかける評価の再考の動きがあるようだが、それも自然なことであろう。
 そんなことがあるから、どうも乃木将軍が綺麗に描かれすぎているなと、見ていて少し感じるのである。結局児玉源太郎が要塞攻略用に28センチ砲を本土から搬入して、目標を要塞攻略から二百三高地占領に変えたからこの戦いはうまくいったのではないか。現実には失敗し続けても結局乃木将軍続投となるのだが、映画でも乃木ありきで設定されすぎているように感じた。最後の奏上の場面でも、将兵を失った辛さはわかるのだが、誰のせいでそうなったのかと思ってしまう。
 歴史の解釈は色々なのでどれが正しいとは言えない。本来ならば歴史は歴史、映画は映画で別物。おそらく乃木将軍も自分の能力以上の責任を背負わされた、被害者の一人だったのかもしれない。彼が苦悩したであろうことはとてもよくわかる。児玉も敵を吹き飛ばすために味方ごと砲撃するような決断をしている。戦争の勝利の影で、良いか悪いかとか有能か無能かとかを別にして、簡単に失われていく兵士の命と同時に、そのような将軍の苦しみも描きたかったのだろう。だがどうも彼の役柄の設定の良さが自分の考えとは異なってあまり好きになれず、捉え方の違いでこの部分は少しだけ気になった。

Cape God
Cape Godさん / 2013年3月16日 / PCから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  悲しい 難しい
  • 鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル
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