二代目はクリスチャンのレビュー・感想・評価
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「キリストはん」
神戸の修道女シスター今日子に、天竜組の跡取り天竜晴彦と、彼の幼馴染で刑事の神代が思いを寄せる。晴彦の命令で、子分全員は洗礼を受ける。一方、神代は寺の息子であるのが悩みどころ。今日子は、数年前にかくまった英二を忘れられずにいた。そんな時、天竜組と黒岩会の抗争が激しくなる。孤児だった今日子は。
コメディ基調で進行していきますが、終盤はがぜん面白くなります。
志穂美悦子は、おしとやかな役ですがその終盤で本領発揮。やっぱりかっこいいなぁ。映画出演は、10年余りだけで寅さんが最後。そこで長渕剛と共演。松本竜介は、ずっとこの路線で行ければよかったのにな。國村隼が端役で出演しています。
わたし、頭きました
志穂美さんの魅力がほとばしる… はずだったんだけど、なんか、惜しい。
演劇界で飛ぶ鳥落とす勢いだったつかさんの脚本…。
何がしたかったんだ。
奇抜な設定と、それを無理やりにでも納得させられてしまいそうな、マシンガンのように次から次に畳みかけるセリフ、大仰な、劇場らしい振りとセリフ回しと立ち回りが持ち味だったと認識していた。
『蒲田行進曲』の映画化では、そのつかさんの舞台の常連の風間さん、平田さんを中心に据え、銀幕の女優・松坂さんを添えることで、舞台の雰囲気を持ち込みつつ、見事なバランスをとっていた。
だから、「クリスチャンのシスターが、やくざに」という、一見、突飛な設定も、つかさんならと期待を膨らませる要素なのに。
でも、順番が悪かったよ。
志穂美さんのファンだから、無茶苦茶身びいきしたとしても、『セーラー服と機関銃』の、柳の下のドジョウを狙ったように見えてしまう。
かつ、往年の仁侠映画の焼き直し。
志穂美さんを巡る恋のドタバタ。アクション女優として際立っていらしたから、あんな演技を見られるのも楽しい。岩城さんとのからみは当然として、柄本さんとのからみ・間の微妙な合い方が新鮮。
けれど、後半、殴り込みにいくまでのプロセスが…。
シリアスの混ぜ方が…。
役者さんの演技で見せてくれるが、もう少し何とかならなかったのか。それでも整合性があればいいのだけれども、不発。
シスターだから、震えながら暴れるというのは理屈が通っているんだけれども、それにしちゃ殺陣が決まりすぎる。
殺陣が決まる唯一無二のアクション女優・志穂美さんを見せたいのなら、もう少し設定替えてほしかった。それこそ、よくある話だが、昔悪だったけれど、改心していたのが、たまりにたまって…とか。せめて、アクションにコメディを取り入れられる、ジャッキー・チェン氏が行うようなアクション演出できる人がいれば、つかさんの設定を、志穂美さんで活かせたのだろうが、不発。
映画の脚本として制作されたものは舞台の脚本。しょうがなく、監督たちが手を入れたけれど、それに対してつかさんは怒ったとか(Wikiより)。
だったら、初めから”映画”の脚本を作ればいいのに。無責任。
つかさんの良さを全く理解しないで、任侠物っぽくすれば、そこにギャグを入れればとインスタント的な発想なのだろうな。(笑)をとるって、泣かすより難しいって聞いたことがあるけれど、(笑)を簡単に考えていたんだろうな。
志穂美さんのいろいろな表情・演技・アクションを見られる盛りだくさんな映画。でも、詰め込みすぎて、活かす演出でもなくて、残念な映画になってしまっている。
それでも、志穂美さんはじめ、蟹江氏・北大路氏だけでなく、すべての役者さんが、きっちり”らしさ”を決めてくださる。
むしゃくしゃしていて、スカッとしたいとき、ツッコミ入れながら肩の力も抜けてカタルシスを得るというのが正しい鑑賞法だと思っています。
映画が急に面白くなり出すのはツボ振りの場面から。後半の展開がすごく...
映画が急に面白くなり出すのはツボ振りの場面から。後半の展開がすごくて最初のゆるいコメディ45分間からは想像もつかないようなラストを迎える。シスターが神戸の伝説のヤクザ鬼頭の娘だったというのが話の肝。
コメディ全開の柄本明に、天竜組礒村の蟹江敬三、シャブ中ユリ役のかたせ梨乃と脇役も豪華。
映画としては粗いとこも結構あるのだけれど、それぞれのキャラクターに見せ場があり、役者の力で脚本に説得力を持たせている。やりきった感が凄いある。
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