肉体の門(1964)のレビュー・感想・評価
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娼婦たちのカラフルな衣装。 赤色、黄色、緑色、薄紫色、 「ラ・ラ・ランド」のようだ。 女たちはそれぞれ娼婦をやっていても男を愛したり、 普通の家庭の主婦になってみたいと思ったりもする。
動画配信で映画「肉体の門(1964)」を見た。
劇場公開日:1964年5月31日
1964年製作/90分/日本
原題:Gate of Flesh
配給:日活
宍戸錠
野川由美子
河西郁子
松尾嘉代
石井トミコ
富永美沙子
野呂圭介
玉川伊佐男
和田浩治
1947年に発表された戦後最初のベストセラー文学である田村泰次郎の小説「肉体の門」は5回映画化され、時代を刻む衝撃的な物語として知られている。
昭和22年、米軍占領下の東京でたくましく生きる娼婦の女たちの姿を描く物語。
まず印象にあるのが4人の娼婦たちのカラフルな衣装。
赤色、黄色、緑色、薄紫色、
2016年のハリウッド映画「ラ・ラ・ランド」のようだ。
女たちはそれぞれ娼婦をやっていても男を愛したり、
普通の家庭の主婦になってみたいと思ったりもする。
宍戸錠は米軍の物資を盗んだり、路上強盗などもやっていた。
「そんなこといつまでも続かないよ」
女たちに戒められるのだが実際にそうなってしまう。
衝撃的なのは牛の解体シーン。
実際に牛を解体していると思う。
58年前の映画だが、
日本の女性たちは今と変わらず美しかった。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
こんな女に誰がした。。。
内容は太平洋戦争後の日本の闇市周辺を寝床にする娼婦達とそれを取り巻く人達の話。この話は何度も映画化される程の人気作品。映画の中では歌謡曲『星の流れに』を映像化した様な作品だったと感じた。戦前の1904年のゴンドラの唄とは曲調も歌詞も変わる程、戦争の爪痕に苦悩する全ての人がそれぞれの価値観すら統一しなければ生きられない時代に戦争を忘れ過ぎている時代の新鮮さすら感じた。
清順だけに清純派
タダで男と寝るという掟を破るとリンチに遭う仲間。生き抜くためには金が必要なのだ。身体を売って生計を立てる彼女たち5人はカラフルな服装で身を固め、映像もその原色を最大限に利用している。みんな進駐軍が憎く、しんちゃんを英雄視し、次第に好感を持ってしまう。というストーリー。
敗戦直後の映像を新感覚で風俗側から描いたリアルさは素晴らしいけど、黒人神父をたぶらかしたりするシーンはついていけない。終盤の2人の展開も心理描写が急すぎておかしいような気もする。ま、肉欲だけならわかるんだけど・・・
終戦直後の女たち
赤、緑、黄、紫とそれぞれが物思いにふける場面の色彩と映像が素晴らしく鈴木清順の演出と木村威夫の美術は今観ても斬新で古くならず。
男勝りで威勢の良い女どもが体一つで生き抜くために強く逞しく、女優陣も魅力的な演技で応戦。
酷いシーンも軽めな描写で悲観的にならず基本的に明るい雰囲気のまま話が進むので観やすかった。
性と生の根源を描く
終戦直後をギリギリの状態で生き抜く男女の話。
戦争を生き延びて、再生を賭けた生と性とが、ほとばしるようにグロテスク美で描かれる。
今を緩く生きていると理解しがたいかもしれない。
生と性の極限が好きな人には、堪らないはず。
傑作のような駄作のような
駄作として忘れてしまうのは惜しいような、しかし所詮は駄作のような・・・どうせならもうちょっとエグいシーンが欲しかったです。でもきっと忘れないと思います。この映画。でもお勧めはできません。女版の酔いどれ天使って感じです。鈴木則文監督作品とかぶるものがありますね。
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