肉体の門(1964)

劇場公開日:

解説

田村泰次郎の同名小説を「潮騒(1964)」の棚田吾郎が脚色「花と怒涛」の鈴木清順が監督した風俗ドラマ。撮影は「仲間たち」の峰重義。

1964年製作/90分/日本
原題または英題:Gate of Flesh
配給:日活
劇場公開日:1964年5月31日

ストーリー

敗戦に虚脱し、疲れきった男たちの間に、毒々しい悪夢の花を咲かせる女たち。十七歳のマヤが、関東小政のおせんのグループに仲間入りしたのも、たった一人の兄をボルネオで亡くし、外国兵に肌を奪われてからだ。焼ビルの地下には、ジープのお美乃、ふうてんお六、町子と、皆暗い過去を背負った女たちがたむろしていた。今日も闇市では、仲間の掟を破った夜の女が、激しいリンチをうけていた。彼女らの中には、よその女に縄張りを荒させない、ただで男と寝ないという掟が生きていた。一方関東小政の刺青をもつ、おせんは、進駐軍の兵隊を半殺しにした復員姿の新太郎を助けた。すさんだ生活をしていても、小政たちもやはり女だ。たくましい男を見て、彼女らの中に愛に、似た感情が湧いて来た。そんな時、町子が小笠原というなじみの客と、結婚を約束して代償なしに身体を与えていることがバレてしまった。怒り狂った小政、マヤらは、地下室に町子を宙吊りにすると、リンチを加えた。途中、新太郎にさえぎられたものの、すさまじいリンチは、マヤの身体に忘れていた女の生理をよみがえらせた。そして新太郎に強烈にひきつけられていった。一方新太郎は、進駐軍のペニシリンをもっていた。小政の口ききで新太郎は阿部と兄貴分の石井にそれを売り、莫大なお金を受けとった。祝い酒に酔った新太郎は、焼跡に絡がれた牛を地下室にひっぱって来ると久しぶりの牛肉にありつき乱痴気さわぎがつづいた。飲み食い、ひもじさから解放されたマヤは、新太郎を廃船につれこむと、愛撫を求めた。彼も激情にかられ、マヤを抱くと、「新しい生活へのスタートをきろうと約束した」しかし、かげでこれを聞いた小政は、マヤに激しいリンチを加えるのだった。けれど、希望に満ちたマヤの瞳は美しかった。一方、新太郎は小政に、ペニシリンがインチキだと密告され、石井らの一団とMP、警官に追われた。新太郎は必死に逃げたが、MPの弾丸が容赦なく新太郎の身体に食いこんでいった。何も知らないマヤは新太郎の約束の場所に急いでゆくのだった。

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映画レビュー

3.5牛の映像は必要か?

2024年3月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

鈴木清順カラーとでもいうのか、登場人物達のビビッドな衣装が縦横無人に動き回る様が何とも美しい。彼女らの置かれている薄暗い環境との対比もあって何か迫ってくるものがあった。総天然色黎明期だからこその采配なのかな。
牛の屠殺シーンは何だか話題作りのために入れたようで、ここは衝撃というより何だか醒めてしまった。

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あっきゃん

3.0娼婦たちのカラフルな衣装。 赤色、黄色、緑色、薄紫色、 「ラ・ラ・ランド」のようだ。 女たちはそれぞれ娼婦をやっていても男を愛したり、 普通の家庭の主婦になってみたいと思ったりもする。

2022年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

萌える

動画配信で映画「肉体の門(1964)」を見た。

劇場公開日:1964年5月31日

1964年製作/90分/日本
原題:Gate of Flesh
配給:日活

宍戸錠
野川由美子
河西郁子
松尾嘉代
石井トミコ
富永美沙子
野呂圭介
玉川伊佐男
和田浩治

1947年に発表された戦後最初のベストセラー文学である田村泰次郎の小説「肉体の門」は5回映画化され、時代を刻む衝撃的な物語として知られている。

昭和22年、米軍占領下の東京でたくましく生きる娼婦の女たちの姿を描く物語。

まず印象にあるのが4人の娼婦たちのカラフルな衣装。
赤色、黄色、緑色、薄紫色、
2016年のハリウッド映画「ラ・ラ・ランド」のようだ。

女たちはそれぞれ娼婦をやっていても男を愛したり、
普通の家庭の主婦になってみたいと思ったりもする。

宍戸錠は米軍の物資を盗んだり、路上強盗などもやっていた。

「そんなこといつまでも続かないよ」

女たちに戒められるのだが実際にそうなってしまう。

衝撃的なのは牛の解体シーン。
実際に牛を解体していると思う。

58年前の映画だが、
日本の女性たちは今と変わらず美しかった。

満足度は5点満点で3点☆☆☆です。

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ドン・チャック

3.0生きた牛を捌く

2022年9月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

戦後の焼け野原。
もし自分がこの時代に生きていたらどうやって生きただろうか。
モノが満たされない時代。
みなさんたくましいですね。
とてもきれいで観やすい映画でした。

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きみまろ

2.5こんな女に誰がした。。。

2022年2月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

幸せ

内容は太平洋戦争後の日本の闇市周辺を寝床にする娼婦達とそれを取り巻く人達の話。この話は何度も映画化される程の人気作品。映画の中では歌謡曲『星の流れに』を映像化した様な作品だったと感じた。戦前の1904年のゴンドラの唄とは曲調も歌詞も変わる程、戦争の爪痕に苦悩する全ての人がそれぞれの価値観すら統一しなければ生きられない時代に戦争を忘れ過ぎている時代の新鮮さすら感じた。

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コバヤシマル