浪華悲歌

劇場公開日:

解説・あらすじ

溝口健二監督の初期の代表作のひとつで、山田五十鈴が演技派女優としての才能を開花させるきっかけとなった女性ドラマ。大阪の薬種問屋の電話交換手として働くアヤ子は、会社の金を使い込んで多額の借金を抱えた父のため、職場の店主の愛人になる。続いてアヤ子は学費が払えない兄のために株屋から金をだまし取ろうとするが、警察に捕まってしまう。ようやく釈放されて家に帰ったアヤ子に、家族は冷たく当たるのだった。

1936年製作/71分
配給:松竹キネマ
劇場公開日:1936年5月28日

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映画レビュー

4.0普通の昼メロ

2025年1月29日
PCから投稿

祇園、浪華、残菊の戦前溝口三大傑作のうち中間の評価です。

典型的な昼メロの世界でプロットも単純ですが、なかなか面白いです。
但し、これが映画史上に残る傑作化と言われればそうでもない。
当時の雰囲気がわからないと評価しようがありませんが、良くも悪くもよくできた昼メロです。

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越後屋

5.0「祇園の姉妹」と並ぶ溝口映画の双璧‼️

2023年10月7日
スマートフォンから投稿

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日本映画が世界に誇る名匠・溝口健二監督の「祇園の姉妹」と並ぶ最高作‼️「祇園の姉妹」同様、溝口監督のヒロインへの容赦ない演出が光ってます‼️父や兄のため、金のため、電話交換手アヤ子は妾にもなれば美人局も企むが、ついに逮捕され、恋人や家族にも裏切られる‼️この映画のヒロインには可憐な美しさなど微塵もない、かなり悪どいことを平気でやる女性なのですが、彼女は彼女なりに家族のために尽くしたい。その行為は分別がなく、世間から非難を受けるものだが、信じていた家族からも不良だと責められた時、居直った浪華女のたくましさが大爆発する‼️ラスト、知り合いの医者から「病気と違うか?」アヤ子は「そうや病気や、不良少女という立派な病気や」と呟き、ぐんぐん橋を渡っていくトレンチコート姿のアヤ子‼️そのクローズアップの迫力‼️まるでアメリカのハードボイルド映画のような乾いたタッチ‼️当時の日本映画界では珍しかった女性差別への激しい反抗だったんでしょう‼️溝口監督としては戦後の「西鶴一代女」や「雨月物語」の方が世界的に有名かもしれませんが、作品的には圧倒的に今作と「祇園の姉妹」が上だと思いますし、今作のアヤ子、「祇園の姉妹」のおもちゃこそ、溝口映画を代表するヒロイン、女性像だと思います‼️そんな鮮烈な女性像を体現したベルちゃんこと、当時19歳の山田五十鈴さんの熱演は間違いなく映画史に残る‼️

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活動写真愛好家

4.0「祇園の姉妹」と類似した、戦前女性の生き辛さに焦点を当てた溝口監督の女性映画

2021年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

戦前の溝口映画の傑作とされるこの作品は、「祇園の姉妹」と共にその時期の代表作であると岩崎昶氏は指摘している。個人的には「祇園の姉妹」ほど感動はなかったが、依田義賢の緻密な脚本と溝口監督の確かな演出には感心した。山田五十鈴、梅村蓉子の演技もいい。
昭和10年代初期の現代劇で描くものは、主人公村井アヤ子の女性としての生き辛さ。生活苦と女性の身分の低さを問題として、その上で人間のエゴイズムを並べ立て、ひとり変化していくアヤ子を客観的に描く溝口演出の厳しさがある。男と女の赤裸々な欲望や嫌らしい性質をまざまざと見据える演出は力強い。家族思いのひとりの女性の、それ故に無情な世の中で遭遇する苦労を描き、ラストシーンに作者の制作意図が明確に込められた問題提起の主張が確りした映画になっている。

  1978年 6月28日  フィルムセンター

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Gustav

3.0祇園の姉妹と似てる 山田五十鈴貫禄あるが19歳とは 関西弁でコミカ...

2017年1月7日
iPhoneアプリから投稿

祇園の姉妹と似てる
山田五十鈴貫禄あるが19歳とは
関西弁でコミカルなところがおもしい

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とらこ

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