長崎の歌は忘れじ

劇場公開日:

解説

「雪割草」の監督田坂具隆が原作を書き、再び監督に当たったもので、脚色は「若人の誓い」の沢村勉。撮影は「愛染橋」の伊佐山三郎、出演者は「浅草紅団」の京マチ子に根上淳、「群狼の街」の久我美子、松竹から大映へ転属した山内明のほか、滝沢修、瀧花久子、東山千栄子、特別出演に米人オペラ歌手アーリングトン・ロールマンなどである。

1952年製作/131分/日本
原題または英題:Eternal Song of Nagasaki
配給:大映
劇場公開日:1952年3月27日

ストーリー

ヘンリイ・グレイは、ハワイの日本人捕虜収容所で死んだ一日本兵から未完の楽譜を託され、その完成を約束した。彼は戦後バイヤーとして日本兵の故郷長崎をたずねその遺族をたずねるが判らなかった。ホテルに勤務している牧原桃子は、ある日グレイの弾く未完の曲からそれが桃子の姉綾子の夫佐伯道信の作曲であることを知った。綾子は原爆のため盲目となったが、夫の帰還を信じて生きている女性だった。グレイは綾子に逢おうとしたが、彼女はかつての敵国人に会おうとしなかった。桃子もまた、綾子に義兄の死を知らせることをさしひかえたが、ある日神父の口から伝えられた。綾子はそれ以来生きる希望を失って、ついに粉雪の降る日家をさまよい出て死を決するが、その時教会堂から夫の曲が流れ出して来た。会堂の内ではグレイが完成した道信の曲を奏しているのだった。グレイの好意を知り、完成された曲の中に亡夫の生きていることを悟った綾子は強く生きる女性になった。そして日比谷公会堂で道信とグレイの合作「心の真珠」の発表会が催される日には、綾子も舞台で琴を弾くのだった。

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