「人生の虚無感を解消するための目的探し」敦煌 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
人生の虚無感を解消するための目的探し
宮城谷昌光の『三国志』が好きなのもあり、中国周辺の地理にも興味が湧いたため、原作を十数年前に読んだ。でも内容をほぼ覚えておらず、今作を新鮮な気持ちで観た。
今作のテーマは、人生の虚無感とそれを解消するための目的探しだったのかなと思う。科挙に失敗して西夏に行ったのも、ウイグルの王女を匿ったのも、経典を焼失から守ったのも、全てはそのためで、趙行徳は常にどうしようもない虚しさを抱えているように見えた。しかし、ストーリーに対してはそれ以上のものを感じられなかった。
ただ、今作は映像美が秀逸で、広大な砂漠や夕焼けの中で大軍が行進する様は『アラビアのロレンス』を連想させる圧巻のスケールだった。
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