劇場公開日 1952年2月15日

とんかつ大将のレビュー・感想・評価

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5.0貧乏長屋の医者だが、女性にモテモテで困ってます。

2020年4月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「とんかつ大将」と凄まじい題名で、若い女性から敬遠される感じだが、なんと近年多々あるライトノベルやコミックにあるラブコメディ・ハーレム物の原点みたいな作品。

貧乏長屋に戦友と暮らす凄腕の外科医の佐野周二が、美人の病院長や盲目の美少女や美人の小料理屋の女将に好かれて、昔の婚約者にも再開するなどのモテモテ男ぶりを発揮する。

小気味よい会話や素早いカット割りや効果的な移動撮影などのモダンな作り。
人情長屋物に定番の展開など、これが元祖か?と思う出来。

流石です、川島雄三!

余談だが劇中では、主人公の好物である、とんかつのクローズアップ描写は、無かったな。
最近の映画やドラマだと、タイアップか?と思うくらいに、シズル感満載で映すのに、当時の感覚だと無いのかな。

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ミラーズ

5.0切なさを噛み締める人々

2015年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

登場人物のすべてが切なさを噛み締めて生きている。互いの切なさの理由が絡み合い、物語が深く太く進行していく。
佐野周二演じる主人公は、権力や金の力を笠に着た態度を嫌い、貧しくとも健気に生きる者へ愛情を注ぐ、言わば下町のヒーローである。しかし、父親とは反りが合わず、かつて結婚を約束した恋人は戦後の混乱の中、親友と所帯を持ってしまっている孤独な内面を持つ男でもある。
二度目の鑑賞にもかかわらず、佐野の素性を知った亀の子横丁の人々が彼のもとを去っていくシーンには、悔し涙がにじんだ。
裏切られた友情、失くした恋、相手の片思いを見守ることしかできないもう一つの片思い、慕う相手からの軽蔑。錯綜する人々の切なさを、混乱を微塵も感じさせずにラストの幾つかの和解へとつなげていく川島雄三の脚本と演出が最高。

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佐分 利信