「ぼく、ドラ平太」どら平太 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
ぼく、ドラ平太
タイトルロールであの明朝体のどデカい文字で出演者の名前がバンバンと出ると、ああ市川崑よなあと嬉しくなってくる。
ただこの映画の場合は、「木枯し紋次郎」などと違って、為政者側が身をやつして悪を成敗するという所謂「水戸黄門」「遠山の金さん」パターンなので、あまり好みのプロットではなかった。脚本は四騎の会、黒澤明、木下恵介、市川崑、小林正樹の4人の共同執筆ということだが、かつての黒澤組の橋本忍、小國英雄、菊島隆三らほどには実を結んでいないようだ。各々の個性が違いすぎたのかもしれない。
最後の単身敵地に乗り込んでの大立ち回りはどう見ても無理がある。一瞬でも切っ先のタイミングがずれていたら十中八九死んでいる。また、浅野ゆう子の役柄は完全に浮いている。
最後の最後で落語ネタ「馬の田楽」で落とすとは思ってもみなかった(原作の「町奉行日記」にはこのくだりはない)。
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