映画ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記のレビュー・感想・評価
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とんでもない離れ業が
珍しく現代人が敵になる作品。
毎度のことだが、
ドラえもんが道具を出しっぱなしで
トラブルが発生する。
そして何よりとんでもない
離れ業が発生する。
4次元ポケット間でワープが
できちゃったのだ笑
今まで数々のピンチがあったが
これができるなら最初からやれよと
誰もが思うだろう笑
とはいえ、内容はよくできているので
誰もが楽しめる作品となっている。
問題作
ショックを受けた。
ドラえもんといえば冒険に行ったその先であからさまな悪者や政治思想が違って争いが起き、自国を匂わせる程度で結局メルヘンに包まれてるところが美点だと思っている。
これは家に指名手配犯が忍び込む現代ホラーから始まる。表現方法が違えば立派なサスペンスだ。おもちゃたちが大気汚染に口を出すのもダイレクトすぎる。
上映当時はこんな世の中が来ないはずだったのかもしれない。
しかしのび太くんはかっこいい。
指名手配犯の集団に追われて地面の裂け目をハシゴで渡るだけでもすごいのに、しずかちゃんのスカートが挟まって空中で動けなくなったとき躊躇いなく助けに行く。
その後落ちてしまうのが彼らしく、しずかちゃんがずっとのび太くん気にしてるのが普通でよかった。他のメンバーはのび太くんの生命力過信しすぎだ。ガケに落ちて「無事だといいな」はさすがに無理がある。
オリジナル長編の中では下の方
藤子F不二雄原作はこれが最後。
ひみつ道具で難局を打開するシナリオがドラえもんらしい。この感じは近年の作品では薄れているところ。
展開はとても面白いけど、ちょっとごちゃごちゃしてはいる。あと、序盤からおっさんが増殖するのでビジュアルが暑苦しい笑 これ、意外とひびいてるんじゃないでしょうか。
個人的にオリジナル長編の中では下の方にはなる。
種まく者と大魔神
ようやく武田鉄矢の呪縛から解かれた音楽も、矢沢永吉のテーマ曲によって華を添えられた形となった藤子先生の遺作。ただ、藤子先生の思いがいっぱい詰まった作品でもあるが、そのメッセージがいっぱいあるために焦点がぼけていると思う。
不思議な彗星の映像から始まるが、これが“種まく者”=(神のような存在)だったのかどうかまではわからない。のび太、ドラえもんたちは神が創りたもうた惑星の一つで夢のような、しかも激しい戦いが起こる“ねじ巻き都市”での貴重な経験をするのだ。
まずは22世紀の福引きハズレ券によって惑星を手に入れたと思い込んだのび太。そこをスネ夫に自慢するための牧場にしようと考えたのだが、馬のパカポコは本来人形なのだ。ついでにみんなの大切な人形、おもちゃにも生命を与えてシムシティのように毎日発展させるゲームを楽しむ。エッグハウスによって生命を持った人形も複製し、彼らはやがて市長を選出、自ら自然に優しいセラミック材を使って建築物をも発展させる。
それだけならシミュレーション・ゲーム感覚で楽しむことで夏休みの自由研究にもなりそうなのだが、運悪く、ニュースにもなっていた脱獄犯・熊虎鬼五郎が野比家に侵入し、どこでもドアを通ってシムシティに潜入するのだった。また、偶然コピー機に触れた鬼五郎が自分のコピー11体を作ってしまう。ジャイアンの見つけた金塊の湖の地図を拾い、彼らは大儲けを企むといったストーリー。
自然破壊と宇宙の創造。金塊の正体は全てをつかさどるかのような“種まく者”。大魔神、大蛇、カブトムシ、戦車と姿を変え、鬼五郎たちを惑星から追放しようとするのだが、のび太たちが徐々にソーラー電池や無公害に気を遣ってくれたため、彼らに自然保護を任せようと気が変わる様子がいい。
宇宙創造の謎、特に火星と地球に有機物を与え、巨大隕石衝突によって火星だけ生命が途絶えた説だとかはとても興味深いものがあった。
もう一つのテーマは人間性善説だったように思う。鬼五郎のコピーの中には“ホクロ”と呼ばれる者がいて、彼が鬼五郎の良心だけを受け継いだかのよう。のび太も絶体絶命のピンチに陥り、しずかは“ホクロ”の良心に気づく。そして、人形にも心が芽生え、見ている子供たちはジャイアンとティラの友情にも涙を誘われるだろう。
こうなってくると市長まで生まれた都市の描写がとても小さく扱われ、サルのおもちゃが命のねじで地球から骸骨、パンダ、小便小僧の像を持ってくることなどエピソードが多すぎる。いいテーマがあるだけに、全体的には雑になってしまったのが残念でした。そんなこんなでしずかちゃんのヌードはもちろんナシ。
種蒔く人の想いとは?
ドラえもん(映画)シリーズ第19作。
WOWOWシネマで久しぶりの鑑賞。
原作は未読です。
創造主や生命の進化、環境問題など、深いテーマが内包されていたことに驚かされました。藤子.F.不二夫さんが子供たちに伝えようとしたことのスケールの大きさに唸りました。
※鑑賞記録
2022/04/16:Amazon Prime Video
ドラえもん作品であることを活かせていない
伊集院光のラジオの話(古ッ!)を聞いて気になってみました。
確かにドラえもんの可愛らしい世界観で見せながら、実はスケールでかい話だったんですが・・・。
深い話をドラえもんに落としこむ意味が理解できず。
宗教的な話でビックリした。 種を蒔く者(神)が火星と地球に生命の種...
宗教的な話でビックリした。
種を蒔く者(神)が火星と地球に生命の種を蒔いた結果、火星は失敗し地球は成功、人間が生まれたという設定。神はあくまで観察者という立場で惑星に住む者に問題解決を委ねるのだ。本作の舞台となるのび太が見つけた地球型の惑星も種を蒔く者が作った星のひとつ。
生命のねじを使ってぬいぐるみに生命と知恵を授けたのび太たちは、彼らにとっての神そのもの。ぬいぐるみ達は自ら進化を遂げ、のび太たちの管理(神の支配)から自立する。ねじまき都市の工事現場を監督するジャイアンを裁判にかけるくだりは、微笑ましいというか怖かった。生命を授けられたぬいぐるみが、豚、馬、羊、牛、恐竜と人間世界における家畜や絶滅動物であるのも意図的なのか、はたまた偶然か、とても気になった。
とくに考えさせられたのは凶悪犯の描き方。たまごコピーミラーによって凶悪犯のクローンが量産されるのだが、1人だけ顔にホクロのついた善人が生まれる奇妙なエラーが発生。彼の手ほどきによって最終的にピンチを脱し、クローンを一体の人間に戻すと、ホクロの方に悪の人格が統合される驚愕のオチが待っているのだ。悪人が持つ善の心を認めた神が生まれ変わるチャンスを与えたとも深読みできる。
タブーに近いテーマをさらっと子供が楽しめるビジュアルで見せてしまうのがドラえもんの凄さだ。そういえば、竜の騎士も創世日記も雲の王国も、のび太が神となってパラレルワールドを創り観察を始め、最終的に種の滅亡を救っている。藤子先生のメッセージは一貫しているなぁとあらためて感慨深い気持ちになった。
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