御存じ いれずみ判官

劇場公開日:

解説

おなじみ千恵蔵の判官シリーズの一作。陣出達朗の原作を「俺は欺されない」の高岩肇が脚色し、「弁天小僧」のコンビ佐々木康が監督し、松井鴻が撮影した。

1960年製作/94分/日本
配給:東映
劇場公開日:1960年3月15日

ストーリー

遠山家では金さんの父景晋が、抜け荷買いの一味と気脈を通じていたという疑いで長崎奉行の地位を追われた。抜け荷買い一味の糸をたぐっていくと、加賀の廻船問屋銭屋五兵衛のもとから加賀百万石にまで疑惑の影が拡がっていく。真相究明にのり出した金さんは、加賀鳶太吉に近づいた。火消し部屋にまぎれこみ、加賀鳶の頭領皿子十兵衛が加賀藩主斉泰の妾お美代の方の育ての親であり、お美代の父が幕閣に勢力をもつ雪翁だという事実を耳にした。金さんに首ったけの孔雀長屋のお景、丑松と一緒に金さんは加賀の国へ向った。五兵衛と対面、加賀藩御用の立札を立て禁制品を運んでいたのは渡海屋だということを聞いた。金さんは渡海屋の船着場で、禁制品の数々が積みこまれるのを目撃した。金さんは江戸に帰り、加賀藩邸に忍びこんだ。そこで、奥方暗殺と藩邸放火を企む渡海屋と筆頭家老大月利左衛門との密談を耳にした。が、警戒がきびしくて邸の外に出られない。奥方は暗殺され、邸は火焔に包まれた。放火したのは十兵衛だった。加賀鳶の太吉は赤門を守って焼死した。この太吉と十兵衛は皮肉にも実の親子だったのだ。十兵衛は悪の報いの恐ろしさを知り改心したが、十兵衛は一味に斬られた。ある日、雪翁の新邸で将軍家慶御覧の能狂言会が催された。鬼神の面をつけて登場した鶴之丞の口からは、陰謀暴露の言葉がとび出す。踊り手は金さんだった。激怒する雪翁。だが、金さんに家慶は裁きの全権を与えた。抜け荷の騒ぎは斉泰を失脚させ、お美代の方の子鶴千代に家督をゆずらせ、加賀藩をのっとるという大陰謀だったのである。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0東映城の時代劇映画

2023年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

興奮

映画産業の黄金期、東映京都撮影所は東映城と呼ばれ、豪華絢爛たる時代劇映画がたくさん製作されていました。
片岡千恵蔵主演のいれずみ判官シリーズは、昭和25年から昭和37年までに全18作が製作され、多羅尾伴内・七つの顔の男シリーズとともに千恵蔵の十八番(代表作)です。私事、団塊の世代(昭和23年生)には地元の映画館で観た東映時代劇が娯楽でした。共演は丘さとみ、木暮実千代、月形龍之介、薄田研二、山形勲、進藤英太郎、千秋実、片岡栄二郎、徳大寺伸、加賀邦男、宇佐美淳也、阿部九州男、尾上鯉之助、北竜二、戸上城太郎など、東映時代劇の懐かしい俳優が勢揃い。CGのない時代、冒頭、縁日のモブシーン(多数のエキストラを使って撮影)は大迫力、浪人たち相手の啖呵(たんか)と立ち回りは片岡千恵蔵の真骨頂。ラストの遠山裁きは金四郎(千恵蔵)、ワルの黒幕・雪翁(月形龍之介)両名優の迫真の演技が見られます。監督の佐々木康はサイレント映画の時代から映画監督人生が始まり、終戦直後“リンゴの唄”が主題歌の「そよかぜ(昭和20年)」が有名ですが時代劇の大ベテラン。昭和39年から東映京都プロダクションに移って、テレビ映画時代劇、大川橋蔵の「銭形平次」、近衛十四郎の「素浪人月影兵庫」などのヒット作を連発しています。

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papatyan

3.0桜吹雪

2023年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

片岡千恵蔵の当たり役、遠山の金さんの第一作。
抜け荷と人身売買で私腹を肥やす重臣に、両肌脱ぎでお仕置き。
舞台を見ているつもり楽しむ。

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いやよセブン