劇場公開日 1953年11月3日

  • 予告編を見る

「色々な人生模様の家族と晩年の生活のあり様をさりげなく描いた心に残る名作」東京物語 chakurobeeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5色々な人生模様の家族と晩年の生活のあり様をさりげなく描いた心に残る名作

2013年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

難しい

黒澤明の「七人の侍」と並ぶ、世界で高評価の本作であるが、慌ただしかったサラリーマン時代にはよく理解できなかった映画であった。定年退職して孫もできて、改めてこの気になる映画に向き合うこととした(山田洋次監督の「東京家族」鑑賞の予習も兼ねて)。
映画のペースに合わせてじっくりと鑑賞する(リマスター版)と、2時間半という長さも忘れるくらいに内容のある考えさせられる映画であった。少なくとも、多種多様の人生があり、また、色々な人生観があることだけは確かである。出演した俳優陣の演技が素晴らしく文句のつけようがなかった。平凡に見える個々の台詞にも重みがあって場面場面に味わいがあるように感じた。 戦争で家族を失う悲しさも伝わってきた。小津さんは室内シーンでは低位置のカメラアングルから上方に向けて撮影していたのが特徴的であった。家族問題は世界共通であろう。

chakurobee