「戦争そして家族からの二人の旅立ちの物語?」東京物語 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争そして家族からの二人の旅立ちの物語?
尾道、東京下町、熱海と、舞台の移動テンポがとても小気味よい。家の中の縦に狭められた構図は好みではないが、風景の切り取り方は何らかの角度がついていて、とても素敵。
映画全体に関しては、1回見ただけでは主題は勿論、原節子の紀子の人物像がさっぱり分からず、2回強見てようやく少し理解ができた様な気になった。説明が最小で、なかなかに手ごわく且つ奥の深さがある映画である。
義母がアパートに泊まった夜の紀子の覚醒は、義父との最後の会話のイントロであり、変化への熱望の自覚なのか?翌朝、義母の頭上にガラス戸の割れ目が来るのは、勿論偶然ではなく、暗号、即ち死の病が頭内で起きてることの象徴か?
ラスト、義母の時計を貰い受けた紀子はそれをしっかりと手で包み込む。時計の音らしきものが響き渡り、同時に笠智衆の周吉も家族から離れ孤独を噛みしめ一人立ちするやに、出航する船の映像と時を刻む音が重なる。戦争で夫を亡くし言わば時間が止まっていた紀子と過去としがらみに縛られ惰性で生きてきてる平吉、もしかして小津監督?の心の琴線が言わば共鳴し合って、時が動き始め、細々と、しかしけなげに音をたてて前に進んで行く素敵なエンドに思えた。
Kazz Annさんのレビューに触発されて、東京物語、二度目の視聴をしました。時計に関わる感想が、自分では決して出てこない発想でした。「東京物語」が肚にすとんと落ちるようにわかるのは、難しく感じます。まだ、頭での理解という感じです。
こんばんは、😊
他作品に共感していただきましてありがとうございました😊
本作2,3回観てストーリーはわかっておりますが、
紀子の言葉や、ガラス戸のことなど、気づいておりませんでした。
本作世界で一位の人気作品らしいですね。国は違っても親子関係は皆同じで共感できるからかと思います。また観てみたいです。