鉄男II BODY HAMMERのレビュー・感想・評価
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迎合した?
1が海外で賞を取り有名になったみたいだけど、迎合したんじゃ?と疑いたくなる感じ(苦笑)
カラーになり、1より物語も分かりやすくなった、謎に包まれた感じがカルトっぽくて良かったのに…
まあ、これは、これで、いいけど…
1の方が良かった…
2と銘打ってますが『死霊のはらわた』の2みたいに、同じような設定を使って違う話を作ってるだけで、
1を観てなくても大丈夫です。
この映画で流れるインスト曲が、
スタークラブのヒカゲさんのソロ曲「MAD MAX」に超ソックリで、
たぶん、ここから引用したと思われ(笑)
知ってる方はチェックしてみて下さい。
歌詞を知ってれば歌えるぐらいソックリです(笑)
あと、田口トモロヲさん演じる主人公は、マッド3のエディさんに似ている(笑)
すごい疲れた
精神の衝動と身体感覚がダイレクトに結びついた「鉄男」という異形の生物。彼の怒りや悲しみは一切の仲介物なしに純粋な映像的暴力として示現する。初期の石井聰亙作品のようなパワフルさがある。
けれど石井聰亙がそうだったように、こういう作風はいずれ限界を迎える。というか受け手側に限界が来る。前作『鉄男』のプレーンながら最上質な出来を鑑みると、本作のさらに過激で突飛な描写や演出も、すべては前作に対する対抗意識の表れのように思えてしまうのだ。「前作よりいいものを」という作家の目配せが、かえって純粋なる暴力世界に水を差している。
超ボソボソ声の日常パートと爆音ガンガンのバトルパートという二極的演出も、80〜90'sのインディーズ映画にありがちな悪しき作家主義という感じで興醒めだった。映画は受け手に優しくあるべき、とまでは思わないが、ここまで突き放されるともうついていけないというか。ついていきたいと思える何かもないというか。疲れ果ててしまった。
"GUITARHYTHM"
鉄男Ver.Ⅱ
塚本晋也監督1992年の作品。
『Ⅱ』と銘打っているが、繋がりはナシ。
同設定をベースにした全くの別バージョン。
平凡なサラリーマンの谷口は謎のスキンヘッド集団によって金属人間に生体改造させられる。妻子を脅かす集団に、その身体で復讐を挑む…。
前年の『ヒルコ 妖怪ハンター』でメジャーデビューを果たし、自分の出世作をさながらセルフリメイク。
モノクロからオレンジを基調にしたカラーに。
予算も増えたのか技術や特殊メイクなどのクオリティーも上がり、より重厚なサイバーパンク・バイオレンス・アクションに。
後の『マトリックス』へ与えたような影響も見受けられ(黒服の集団=エージェント・スミス)、また本作自体も前年の『ターミネーター2』を彷彿させるようなシーン(熔鉱炉工場)も。
正直今作もよく分からんっちゃあよく分からんが、前作よりかは話的なものがあり、まともな台詞も増え、見る側を意識した作りになっている。
映像表現や音楽、演者の怪演など才気に満ちた世界観や演出は健在。
が、荒削りではあっても見る者に鮮烈なインパクト与えた前作よりかは衝撃度は薄い。
前作か今作か、好みは分かれそう。
さて、自分は…
バブル崩壊の精神風景
1992年10月公開
正にバブル崩壊の最中
自分には本作は前作同様バブル崩壊の精神風景を描いたものに見える
冒頭の小綺麗なマンションの一室に暮らす家族
デザイナーズコレクションのブランドものばかりの衣服
それが崩壊し最後に家族は湾岸のどこかで佇む
遠景に建設中のまま工事が中断したままのようなタワーマンション群が見える
主婦は静かねと独りごちるのだ
それから28年も過ぎさった
その湾岸もお台場や月島やのように、今は開発しつくされている
鋳物工場の跡にみえる廃工場はとっくにタワーマンションになっているだろう
若い夫婦は60歳近い、子供は40歳くらいになっているはずだ
遠く過ぎ去った過去
バブル崩壊とは昔の世代の戦災の記憶のようなものだ
鉄とワイヤーの男達との訳の分からない戦いとは
バブル崩壊の理不尽さの暗喩なのだと思う
このようなバブル崩壊の戦災は、セピア色の回想シーンで紹介される昭和の30年代~40年代に根源的な原因があったと本作は主張している
この家族の親の世代に問題はスタートしていたと
人間性や家族愛はその時代に死んだ
だからこうなったのだと
いまは鉄とワイヤーの時代だと
鉄とは金、ワイヤーとはネット
21世紀がどういう社会になるのか、その方向を指し示してもいたのだ
“やつ”が最高に格好良い
シネマシティでのリバイバル上映、前作に続き行って来ました。
タイトルには「2」とありますがいわゆる続編ではなく別物の物語。
と言ってもベースとなるパーツは結構あるので、そんな違和感はないと思います。そしてカラーです。
今回はSF要素を入れており、SFサイバーパンクと言ったところでしょう。
前作よりストーリーを見やすくしており、エンターテイメント性を含んだ作りになっています。
しかしながらやはり塚本晋也、間違いなく「鉄男」なんです。
蛇のようなカメラワーク、響き渡る金属の轟音、全体を覆う狂気。
さらにスピード感が出てアクション性が増しましたね。
そして本作も監督自身が“やつ”として出演。これが色もあり最高に格好良いんです。
特に直接対決の所なんてゾクゾクが止まりません。
それだけ今作は“やつ”の存在が大きかったです。
あと今観たからこその発見もありました。
昔読んだコメントなんですが、“やつ”のモヒカンはスコセッシの「タクシードライバー」がモデルらしいんですよ。
そして巡り巡って今ではスコセッシの作品に出演するようになるとは、当時は思っても無かったでしょうね。何だか面白いものです。
今作は緩急をつけた作りでうまく前作と分離していると思うし、また違った鉄男を楽しめました。
この後制作された「鉄男 THE BULLET MAN」もまた違った作りなので、どの順番から見ても楽しめるのが嬉しいですね。
いつかまた次の「鉄男」を観てみたいものです。
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