鉄男のレビュー・感想・評価
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野火の塚本作品という事で鑑賞。
噂には聞いていたが、これ程までに強烈な映画だとは…。
始まって5分、刺激的な映像と異音ともいえるBGM、そして独特の編集も相まって頭がくらっくらになりました。
でもこの不快感が、不思議と快感にもなってるんですよ。
正に主人公が血を流し痛みを感じながらも、どこか性的快感を感じているように。
一種の中毒ですね。
このブッとんでる作品にいつの間にか飲み込まれ侵食されている感覚。
これこそ、人を惹きつける最大の魅力なのかもしれません。
肉体と精神を侵食されていき、生きたまま人間でない何者かに変わっていく恐怖。
これは野火にも通づるテーマ。
塚本監督の原点にして到達点を感じた一本でした。
奇才の脳内
奇才とは、まさにこの事。
巧みに映像化された塚本晋也の脳内、いや、脳そのものを眼球に押し付けられたかのような、超衝撃的作品。
ある意味とんでもない贅沢である。
廃材置き場の鉄くずには前々から魅力を感じていたが、それがこの映画にはこれでもかってほど登場するので嬉しくなった。
それも、スチームパンクとはまた違う、鉄臭さたっぷりの形で。
金属にどんどん体を侵食されていく不気味さ、股間がドリル化するなどの笑い要素、じつに官能的な昭和のエロ。
とにかく映像や音響に勢いがあって面白いので、目が離せない。
ストップモーションを取り入れたシーンも、狂ったような疾走感が出ていて良かった。
白黒にしたのは低予算の粗をカバーするためらしいが、それがむしろ大成功というか、金属の質感がギュインギュイン感じられた。
塚本晋也大図鑑に行ってきた。
塚本晋也大図鑑の初日に行ってみました。
塚本晋也監督の映画と言うと。
映像や音から肉体的に生々しい痛さを
感じる感じがしますが。
それは、同監督のトークショーを
見る事においても同様で。
御姿を間近で拝見するための
整理券を獲得する為に
開館三時間前から並んで件の券を頂戴し、
トーク自体は晩の九時からなので
1回帰ってビール呑んで昼寝して。
もっかい劇場に来て。と、フィジカル的に
至極ハーダーハーデストでした。
多分、ビール呑んで。の部分が
余計だったのだろうと反省しています。
それはさておき。
要のトークですが。
塚本監督。初代鉄男のトモロヲさん。
三代目鉄男のボシックさんの三名で
行われましたが。
(石川忠氏も客席で見かけた様な)
チンコドリルについての話し
ばかりが記憶に残っています。
各々気さくな雰囲気ながら
特に監督から時折垣間見える眼力は
やはり、庶民とは一線を画している様に
見受けられました。
本日の上映は鉄男で。
過去に何回も見ていましたが。
製作秘話を聞いた後だった事や、
劇場で観たのは初めてだった事。
爆音だった事などから、
また新鮮な魅力を感じた気がしました。
そしてDVDで観るより割増で疲労しました。
内容的には、ファンの方々には
もう説明の必要も無いと思います。
チンコドリルです。
チンコドリルが観られるのは、
鉄男かSFポルノの
フレッシュ・ゴードンだけです。か?
今日を振り返って。
大画面。爆音と云う、
正しい鑑賞方法で鉄男を観る事が出来た。
そんな気がします。
鉄男The Bullet Man上映前と云う事で、
渋谷、池袋、(吉祥寺は6月)などで
塚本監督の旧作が再上映されます。
これを機に皆さんも、劇場に足を運び
映像、音から痛みを体感したら良かれ。
と思います。
敬具。
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