「奇才の脳内」鉄男 Arcoさんの映画レビュー(感想・評価)
奇才の脳内
奇才とは、まさにこの事。
巧みに映像化された塚本晋也の脳内、いや、脳そのものを眼球に押し付けられたかのような、超衝撃的作品。
ある意味とんでもない贅沢である。
廃材置き場の鉄くずには前々から魅力を感じていたが、それがこの映画にはこれでもかってほど登場するので嬉しくなった。
それも、スチームパンクとはまた違う、鉄臭さたっぷりの形で。
金属にどんどん体を侵食されていく不気味さ、股間がドリル化するなどの笑い要素、じつに官能的な昭和のエロ。
とにかく映像や音響に勢いがあって面白いので、目が離せない。
ストップモーションを取り入れたシーンも、狂ったような疾走感が出ていて良かった。
白黒にしたのは低予算の粗をカバーするためらしいが、それがむしろ大成功というか、金属の質感がギュインギュイン感じられた。
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