劇場公開日 1988年12月24日

「追悼・西田敏行さん」釣りバカ日誌 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

追悼・西田敏行さん

2024年10月17日
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西田敏行さん死去。
映画『釣りバカ日誌』シリーズ、TVドラマ『池中玄太80キロ』など数多くの作品に出演してきた日本を代表する役者。国民的俳優。
歌手としても活躍し、『もしもピアノが弾けたなら』は大ヒット。
紅白歌合戦にも出場。紅白では出場歌手だけではなく、司会や審査員も担当。
関西ローカル番組『探偵!ナイトスクープ』の2代目局長を19年の長きに渡って。
また、同郷・福島の大スター。福島の顔。
個人的に、亡き父と似てる所もあり(風貌や『釣りバカ』などで時々出すぽっちゃりお腹とか)、本当に子供の頃から馴染みがあった。子供ながらに最初に覚えた日本の俳優も西田さんだったかもしれない。
マルチな才能。親しみ易さ。
嗚呼、ハマちゃんが死んじゃったよ…。

やっぱり『釣りバカ』のハマちゃん。
思いっきり笑わせ、ほっこりさせてくれた。
ハマちゃん=西田さん。もはや演技じゃなく、素だと思っていた。三國連太郎とはコンビなのかと思っていた。その後濱田岳主演でTVドラマでリブートされた時、まさかのスーさん役には驚いた!
勿論ハマちゃんみたいに愉快で楽しくて温かい人柄で知られているが、真面目でもある。万年ヒラのぐうたら社員ではない…?
アドリブ全開のコメディ演技で有名。アドリブには多くの犠牲者が…(笑)。シリアス演技にも定評あり。昔見た『植村直己物語』は印象に残っている。ゴジラとかドラえもんとか見てたまだ子供の時に見たのに、良かったなぁ…。メッチャ久々に見たい。本人にとっても役者として転機になった作品だとか。それから、『アウトレイジ ビヨンド』。善人役や品行方正な作品が多い中、まさかのバイオレンス映画でヤクザの幹部。北野&中野vs西田さん&塩見さんの怒号バトルは邦画史上屈指のド迫力!
TVドラマでは『池中玄太80キロ』だろうが、私は世代的に見た事ナシ。『西遊記』はうっすらと。最も印象的なのは『白い巨塔』。財前のゲスい義父もハマっていた。最近だとやはり『ドクターX』か。
美声の持ち主。代表曲は『もしもピアノが弾けたなら』。だけど私はドラえもん映画『日本誕生』の主題歌『時の旅人』が印象に残っている。曲もいいが、作詞・武田鉄矢、作曲・堀内孝雄、歌・西田さんというスゲェ~!面子。
『探偵!ナイトスクープ』の局長も良かったね。バカバカしい依頼にはゲラゲラ笑い、感動的な依頼にはほろりと涙を。個人的には西田局長の頃が良かったなぁ…。

俳優・歌手・タレント…。多方面で非凡な才能を。
でも西田さんが西田さんであり、西田さんが大好きな理由。
福島への愛。
幼い頃のエピソードは有名。県が誇る猪苗代湖を海だと思っていた。だって、猪苗代湖はあの広さ。海だと思うって!
父親に連れられて、週末はよく映画館へ。やがて俳優が目指す道となったという。
その映画館。私もしょっちゅう通っている。西田さんもあそこで映画を見てたんだ…。
その映画館で2009年、『釣りバカ日誌20 ファイナル』の試写会。それに当たり、来場した西田さんを生で。劇場大歓声。前の方に座っていた女子高生たちがキャーキャー手を振り、西田さんもにっこり返してたっけ。
東日本大震災が起きた時は、風評被害に苦しむ福島を声を強くして代弁。
美しい福島は汚したのは誰だ!?
福島は負げねぇ!福島は負げねぇ!
復興支援のフェスにも出場。福島へ思いを込めて歌った。
毎年住んでる町で行われる夏祭り。今回の応援ソングとしてレコーディングに参加。祭りで流れた時、来てるのかとワクワクした。

その一方、度々病を…。
病と同じくらい悲しかったのは、あるデマ。薬物使用疑惑や鬼畜なSMプレイにハマっている…。
その時は本当か嘘か分からない時もあった。もし、本当だったら…? いや!あの西田さんがそんな事する訳ない。根も葉もないデマであり、SNS上に流した奴は逮捕。安堵した。

数年前に県民栄誉賞。
当然です。
笑わせ、泣かせ、驚かせ、あの温かい笑顔。
誰からも好かれ、仕事をした人やファンや福島を愛し…

『釣りバカ日誌』でハマちゃんのみち子さんへのプロポーズの言葉。
僕はあなたを幸せにする自信がありません。でも、僕が幸せになる自信はあります。

そんなあなたを見て、私たちはずっとずっと幸せでした。

近大