劇場公開日 1958年4月1日

「 「天の巻・地の巻」での立花左近のシーンが垣見五郎兵衛になっていた...」忠臣蔵(1958) kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 「天の巻・地の巻」での立花左近のシーンが垣見五郎兵衛になっていた...

2018年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 「天の巻・地の巻」での立花左近のシーンが垣見五郎兵衛になっていた。長谷川一夫の相手は中村鴈治郎だったが、表現が大げさすぎて、目で演ずることがない。やはりここの対峙シーンは弱かった。

 ストーリー的には見せ場のシーンや、細かいエピソードなどがここぞ狭しと寄り集まっていた。それと、京の遊郭から江戸までずっと内蔵助を追っている女間者るい(京マチ子)の存在が大きかった。そして、浅野の妻瑶泉院(山本富士子)がなんとも色っぽい。大工の娘お鈴(若尾文子)と岡野金右衛門(鶴田)の恋の駆け引きも見どころだし、四十七士それぞれの江戸での生活ぶりがうかがえて面白い。大竹(志村喬)の婿養子となった勝田新左衛門(川崎敬三)のエピソード、それに志村喬そのものも銭湯でのコメディぽい演技が最高だ。難を言えば、飲んだくれの赤垣源蔵(勝新太郎)がイマイチだったか・・・

 矢頭右衛門七のエピソードがやはり一番泣けるし、討ち入り直前となっても母と神奈川の宿で金がなくなったと内蔵助に訴えるところではつい号泣・・・

 全体的に今までの映画では出番の少なかった女性をかなりメインに出しているようで、カラー作品となったこともあってか色彩的にも楽しめる。

 仇を討つことを隠し通し、身内の者、家族、瑶泉院にまで嘘をつき通さなければならなかった内蔵助の心がよくわかる内容。初めて見る者にもわかりやすい内容だったかもしれない。

kossy