血とダイヤモンドのレビュー・感想・評価
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フィルムノワールの時代に展開される邦画版レザボア・ドッグス!! 強欲に憑りつかれた男女の血と汗に塗れた騙し合いが男同士の友情に...なBL映画
神戸税関から盗み出されたダイヤの原石を巡って、強奪犯一味とその対立ギャング団、さらにはそのダイヤの保険会社や漁夫の利を狙う私立探偵、そして彼らを一網打尽にしようとする警察の思惑が複雑に絡み合うクライムスリラーです。 刻一刻と変化する状況とパワーバランスに応じて狡猾に立ち回る強欲なキャラクター達の心理戦は手に汗握りますが、ラストにかけては二人の男のほろ苦い友情物語に帰結し、ビターな中にもどこかハートフルな印象も残す秀作でした。 主演の宝田明さんをはじめとして、水野久美さん、志村喬さんといった当時の東宝特撮映画のファンにはおなじみのスターに加え、佐藤允さん、夏木陽介さん、藤木悠さんといった個性派の二枚目俳優も挙って参加しており、作品全体のハードボイルドな印象をより濃くしています。 理と人情に生きる任侠の世界でもなく、悠々と悪が勝利するピカレスクロマンでもなく、どちらにも振り切れない小市民的小悪党がローリスク・ノーリターンで死闘を生き延びて次の獲物を探すラストはこの時代の作品としてはなかなかに珍しい味わいかも。
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