「「食文化とは」を考えさせられる伊丹十三からのメッセージ」タンポポ くもくもさんの映画レビュー(感想・評価)
「食文化とは」を考えさせられる伊丹十三からのメッセージ
くたびれたラーメン屋を行列ができる店にするというストーリー。
しかし、この映画の本質は、伊丹十三が「食文化とは」を視聴者に考えさせるためのプロパガンダ映画である。
こどもや若者、頭の硬いやつが見る映画ではない。「意味がわからない、道徳的でない」となるだろう。視聴者レビューでもそういう意見がいくつか見つかる
映画の本ストーリーの随所に短いストーリーが挿入されるのだが、
食が持つとんでもなく官能でエログロなところ、食に関するマナーや常識非常識など、いろんなシチュエーションで、画面から匂いがするような庶民リアリズムが展開される。食とはこんなにエロティックで冒涜的でシリアスでユーモラスで、しかもそれが渾然一体したものだよ面白いよねとの伊丹十三からのメッセージである。年をとった今だからこの映画を愛しく思うのかもしれない。
ラストシーンがまたいい。そう、人間の食はおっぱいからはじまるのだ。
コメントする