「今見ても十分楽しめる」タンポポ うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
今見ても十分楽しめる
友人に勧められて、あまりの面白さに一気に最後まで見終わったら、やっぱりラーメンが食いたくなって夜中にうろついたことがあります。昔は、深夜気軽に食べられるラーメン屋さんもなかったし、今ほど外食もしなかったので、ラーメンと言えば、自宅で作るインスタントくらいの認識でした。
この映画、ベースにあるのは「シェーン」なんかの西部劇で、男手の足りない農場・牧場を女手一つで切り盛りする未亡人を、風来坊がやってきて手伝い、形を作ってカッコよく去っていく、という良くある話を、現代の日本を舞台に、ラーメン屋の経営立て直しに当てはめてしまった「逆転の発想」の面白さがすべてでしょう。伊丹十三の作品に通底する面白さの、いちばんシンプルな骨格を形成する映画と言えるでしょう。
自分の奥さんなのに、宮本信子さんを綺麗に撮るんですよね。山崎努も役になりきっていてハマっているし、今や世界の渡辺謙なんか、舎弟みたいな扱いですし、いろいろ発見があって面白いです。
2018.9.4
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