タオの月のレビュー・感想・評価
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えーと確か当時東京国際ファンタスティック映画祭にて鑑賞
吉野紗香が何かアクシデントで遅れて登壇していた気がする。偽の記憶を植え付けられたわけではないと思う。たぶん。
特撮は当時にしては頑張っていたように思う。雨宮監督や『ゼイラム』の名前は知っていたけど…。映画祭ということで特別な高揚感もあり、楽しかったのではあるが、今見たら流石につらいかな。
妖刀の謎
予算が無くとも知恵と工夫で撮りたいものを創るという低予算特撮の異才・雨宮慶太、原作・監督・脚本の渾身のSF時代劇。エイリアンが造った生物兵器マカラガをめぐる攻防を妖術使い、剣豪、宇宙戦士、蜜採りの少女のタッグで描いている、まるでマーベルやDCコミックスの和風版の趣きだ、タオというのはマカラガを封印する鈴(リン)のこと、異星人が造ったはずなのだが仏具で邪気を鎮めるような和テイスト。宇宙戦士も「宇宙水爆戦」のエイリアンのようなヘルメットだが中身は美女戦士、同監督の「ゼイラム」で怪物退治の賞金稼ぎイリアを演じた森山祐子が一人三役で奮闘している。音楽も切れのある和太鼓を活かしていて心地よい。
雨宮監督は元々デザイナーだからキャラクターデザインはお手の物だし題字もこなす達筆で劇中でも漢字や梵字が飛び交う、黒澤監督の大ファン、劇中でも「椿三十郎」ばりの血しぶきドバーの殺陣シーンはオマージュだろう。安倍さんの太刀裁きは見事だが榎木さんと永島さんは主に念力対決、殺陣もあったが薙刀、こん棒の扱い難さもあって腰がふらつき気味なのはご愛嬌。
撮影隊は旅館に泊まる予算が無いので近くの健康ランドで雑魚寝を強いられたようだ、多少疲れが溜まっていたのかもしれない。
死闘の末のクライマックス、タオの鈴発動で隕鉄に封印される怪物マカラガ、何と、そこへおっぱい丸出しの女神様登場(AV女優川村千里)、えっお子ちゃま向けじゃなかったの?、監督に言わせると棘々の魔物の対極が女性の皮膚感だという、いわば雨宮ワールドのお約束、ちゃんと必然性があったようだ・・?
宇宙怪獣の割にはキングギドラのような迫力には欠けるが怪獣はおまけなのだろう、妖刀の謎を紐解く幻想冒険エンターテインメントとして楽しむのでしょう。
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