劇場公開日 1979年10月6日

「監督は才気溢れるアマチュアだったんじゃないかな」太陽を盗んだ男 nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5監督は才気溢れるアマチュアだったんじゃないかな

2025年5月19日
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鑑賞方法:VOD

昔、”大地の子守唄”という映画が好きで、延々と映画館を渡り歩いた
多分、10回くらい観たかもしれない

併映が”青春の殺人者”
おのずとこちらも10回観たわけです
これも、印象深い作品だったなあ
これが、長谷川和彦の監督デビュー作で、次に監督したのが、この”太陽を盗んだ男”だった
そして、それ以降、映画を作っていないのに、大御所として大きな顔をしている不思議な人です

冒頭の太陽のシーンからワクワクさせられた
近未来SF映画っぽいのかな?と思ったら、なんとも、びっくりするくらいてんこ盛りの映画だった

まず、これは沢田研二のための映画だということ
人気絶頂のタイガースのボーカル
まだ、30歳だったんやねえ
色んなシチュエーションのジュリーが見られるお宝映画なのに、当時、見逃した女性ファンが多いのはご愁傷さま
ジュリーの百面相まで見れたのにね

そして、菅原文太との異種格闘技戦のようなわたりあい
これも凄かった

かと思えば
なんと、いかがわしい原爆の製作シーン
素人目に見てもオカシイ
あんな作り方だと即死すると思うんだけど
案の定、原爆病になってたけどね

池上季実子を挟んで
文太と恋のバトルをやってみたかと思えば、
カーチェイスをくりひろげ愛の逃避行
しまいには、道ずれ殺人で大爆破
ほんまに、てんこ盛り盛り
なのに、とってもわかりやすい
最近の何が起こったのかわからんような作品は見習って欲しいな
演出がうまいんだろうね

もう、この映画でやりたい事を全部やり尽くしたみたいな作品

昔、八神純子の曲を、アマチュアだと評した人がいた
彼女の曲一曲で私なら三曲つくれる
それくらい、内容が濃いという事

この作品、一作であらゆる映画を作ってしまったアマチュア
長谷川和彦はそういう人なのかもしれない

まあ、観客としてはお得間満載だね
もう、鬼籍に入られたスターが沢山いるのは時の流れを感じます
風間杜夫が若くて、オーラが全くない

タバコがハイライトばかりだったね
フィルター付きハイライトだった
オヤジはフィルターがついてない時からハイライトだった
あまり、いい思い出ではないけれど

nakaji
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