「監督は才気溢れるアマチュアだったんじゃないかな」太陽を盗んだ男 nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)
監督は才気溢れるアマチュアだったんじゃないかな
昔、”大地の子守唄”という映画が好きで、延々と映画館を渡り歩いた
多分、10回くらい観たかもしれない
併映が”青春の殺人者”
おのずとこちらも10回観たわけです
これも、印象深い作品だったなあ
これが、長谷川和彦の監督デビュー作で、次に監督したのが、この”太陽を盗んだ男”だった
そして、それ以降、映画を作っていないのに、大御所として大きな顔をしている不思議な人です
冒頭の太陽のシーンからワクワクさせられた
近未来SF映画っぽいのかな?と思ったら、なんとも、びっくりするくらいてんこ盛りの映画だった
まず、これは沢田研二のための映画だということ
人気絶頂のタイガースのボーカル
まだ、30歳だったんやねえ
色んなシチュエーションのジュリーが見られるお宝映画なのに、当時、見逃した女性ファンが多いのはご愁傷さま
ジュリーの百面相まで見れたのにね
そして、菅原文太との異種格闘技戦のようなわたりあい
これも凄かった
かと思えば
なんと、いかがわしい原爆の製作シーン
素人目に見てもオカシイ
あんな作り方だと即死すると思うんだけど
案の定、原爆病になってたけどね
池上季実子を挟んで
文太と恋のバトルをやってみたかと思えば、
カーチェイスをくりひろげ愛の逃避行
しまいには、道ずれ殺人で大爆破
ほんまに、てんこ盛り盛り
なのに、とってもわかりやすい
最近の何が起こったのかわからんような作品は見習って欲しいな
演出がうまいんだろうね
もう、この映画でやりたい事を全部やり尽くしたみたいな作品
昔、八神純子の曲を、アマチュアだと評した人がいた
彼女の曲一曲で私なら三曲つくれる
それくらい、内容が濃いという事
この作品、一作であらゆる映画を作ってしまったアマチュア
長谷川和彦はそういう人なのかもしれない
まあ、観客としてはお得間満載だね
もう、鬼籍に入られたスターが沢山いるのは時の流れを感じます
風間杜夫が若くて、オーラが全くない
タバコがハイライトばかりだったね
フィルター付きハイライトだった
オヤジはフィルターがついてない時からハイライトだった
あまり、いい思い出ではないけれど