太陽の季節のレビュー・感想・評価
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【お互いに想い合っているのに、正直になれない男女間に起こった悲劇。今作は”石原裕次郎、衝撃のデビュー作”と言われているが、端役であり、殆ど出て来ません・・。】
■大学生・辰哉(長門裕之)は満たされない青春のエネルギーをボクシングとナンパとケンカにぶつける毎日を送っていた。
ある日、竜哉は仲間と銀座でナンパした女子大生グループのひとり、英子(南田洋子)とベッドを共にする。
やがて竜哉は、英子から本気で愛されるようになるのだが、竜哉は彼女に冷たい態度を取る。
◆感想
・石原慎太郎の原作がそうなので、何とも言えないが石原のデビュー作品である今作が文壇に波風を立てた事は事実だそうである
それは、劇中でも描かれている通り、内容が倫理性に欠けるからである。
だが、「太陽族」なる戦後の若者の生き方を反映しているとして、賞賛もされている。
事実、芥川賞を受賞している。
・竜哉の妊娠した英子に対する煮え切らない態度には、観ていて腹が立つ。
<ラストの英子の葬儀のシーンで、英子の遺影に対して竜哉が石を投げるというのも、彼の屈託した想いなのだろうが、倫理的に許される行動ではない。
今作、鑑賞後の不快感はナカナカである。>
葉山女子旅きっぷはお得
戦後10年でなんかずいぶんリッチ。基本お金持ちのボンボンの、やりたい放題。この情の薄い若者が、将来政治家になって、更にやりたい放題をする絵が目に浮かぶ。やだねー。
南田洋子がクールな美貌でいい。ファッションもいい。ウエストを絞ってスカートはふわっと広がる、そのシルエットがきれい。着物姿も都会的だった。
野外のビアガーデンみたいなところで、男女が踊ってるシーンがあるが、音楽はハワイアンで、踊りは社交ダンス。面白い組み合わせだわ。この頃は普通のことなのかわからないが、すごく新鮮だった。曲は「ナカプエオ」。よく聞くのは軽快なテンポだけど、けっこうゆっくりだった。こんな感想を書く人、他にいないだろうな(笑)
葉山の海にヨット、うっすら島が見えるのはどこだろう。大島? 葉山は日帰りで行ったことあるけど、小高い山がぽこぽこあって、坂も多いし、道幅も狭い。すぐ渋滞しちゃうのが難点。でも、おしゃれな店が多かった。
太陽族と呼ばれた当時のセレブな若者の生態を描いた話だったんですね。...
太陽族と呼ばれた当時のセレブな若者の生態を描いた話だったんですね。その時代に生きてないと理解できない感覚はあると思うけど、問題作だったろうことは読み取れました。私にはたっちゃんの心理はよく分からなかった。欲望の赴くままに行動する男性とはこうですよってこと??困惑しかなかったです。最後英子が死んじゃった時の反応も、そんなに取り乱すほど愛してはいなかったように見えたのに不思議でした。でも、のちにおしどり夫婦となることがわかっている主演のお二人なので、なんとなく物語とは別の次元でほのぼのとした気分で見てしまいます。長門裕之イケメンだったんですねー!桑田佳祐に激似。笑
5000円
2020年9月7日
映画 #太陽の季節 (1956年)鑑賞
#石原慎太郎 原作の映画化
#長門裕之 と #南田洋子 が出会った作品
#石原裕次郎 のデビュー作
そして、この映画がきっかけで映倫が作られたそうです
当時は社会問題というか社会現象だったんでしょうね
考えてみれば本作を上回る青春映画は未だに撮られていないかも知れません
日本映画オールタイムベストには、狂った果実の方がリストアップされていますが、本来は本作こそが相応しいと思います
石坂裕次郎の初主演作品として注目される狂った果実より、はるかに面白いし感動します
映画としても出来は数段上なのは間違いありません
石坂裕次郎は端役ながら本作で映画に初出演しています
短いながら出番は何回もありますし、台詞も少しだけあります
画面にチラリと映り込んだだけで目がそちらに向いてしまう、周りの俳優達とは明らかに違うオーラを既に発しています
原作者で兄の石原槙太郎もチラリとワンシーンだけ出演しています
有名な太陽族とは何かは本作を見れば余すことなく理解できます
銀座の街並み、クラブのシーン、太陽族の男の子達のステンコートと崩したアイビールックの服装
葉山や逗子のビーチサイドホテルの光景
見事に垢抜けた感覚です
10年先、20年先の60年代や70年代の同種の青春映画よりもお洒落であるし、第一カッコいい!
田舎臭さは微塵もありません
演出もテンポも良く、主演の長門裕之と南田洋子の演技も熱が感じられ、二人の関係性が映画だけでない迫力も感じとれる
冒頭のタイトルバックの映像
泥のようになった路面に浮き上がる泡?のように見えます
本作の内容を象徴する秀逸な映像と思います
考えてみれば本作を上回る青春映画は未だに撮られていないかも知れません
間違いなしの不朽の名作です!
庶民から程遠い衝撃的な若者の生態
総合:60点
ストーリー: 60
キャスト: 60
演出: 60
ビジュアル: 60
音楽: 65
ヨットに車に別荘にとお金持ちの若者が気ままに生きる様子を描いたこの映画は、同じ石原慎太郎の原作の映画「狂った果実」ととてもよく似た雰囲気の映画だった。主演の長門裕之、科白がけっこう棒読みだった。彼も彼の友人たちも高校生のはずだが、随分と老けていて高校生という感じがしないし、役者たちの実年齢も役柄よりかなり上だろう。恐らくこの真面目な高校生が多いであろう真面目な時代なのに、高校生らしからぬ振る舞いをする怖いもの知らずな様を描いているのだろうが、この配役のせいでどうもその衝撃が少ない。見る側からすれば、高校生ならばとにかく、大人がこれらのことをしてもそれがどうしたという感じ。まして堅苦しいであったろうこの時代と違って、このようなことは現代社会に生きるものからみればそれほどたいしたことではない。
時代ならではの作品かなという気がする。高校生どころか社会人ですら車などおいそれと買えなかった時代、親のすねかじりで自由を謳歌し無責任に生き倫理に反することもする彼らは、当時の人々にはちょっとした衝撃なんだろうと思う。そのような「太陽族」の生活という別世界をあからさまにしたという意味で、一種の憧れや流行だったのかな。名前だけは知っていた太陽族が見れて、自分としては時代の流れが幾分理解出来て良かった。
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