劇場公開日 1956年5月17日

「庶民から程遠い衝撃的な若者の生態」太陽の季節 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0庶民から程遠い衝撃的な若者の生態

2013年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合:60点
ストーリー: 60
キャスト: 60
演出: 60
ビジュアル: 60
音楽: 65

 ヨットに車に別荘にとお金持ちの若者が気ままに生きる様子を描いたこの映画は、同じ石原慎太郎の原作の映画「狂った果実」ととてもよく似た雰囲気の映画だった。主演の長門裕之、科白がけっこう棒読みだった。彼も彼の友人たちも高校生のはずだが、随分と老けていて高校生という感じがしないし、役者たちの実年齢も役柄よりかなり上だろう。恐らくこの真面目な高校生が多いであろう真面目な時代なのに、高校生らしからぬ振る舞いをする怖いもの知らずな様を描いているのだろうが、この配役のせいでどうもその衝撃が少ない。見る側からすれば、高校生ならばとにかく、大人がこれらのことをしてもそれがどうしたという感じ。まして堅苦しいであったろうこの時代と違って、このようなことは現代社会に生きるものからみればそれほどたいしたことではない。
 時代ならではの作品かなという気がする。高校生どころか社会人ですら車などおいそれと買えなかった時代、親のすねかじりで自由を謳歌し無責任に生き倫理に反することもする彼らは、当時の人々にはちょっとした衝撃なんだろうと思う。そのような「太陽族」の生活という別世界をあからさまにしたという意味で、一種の憧れや流行だったのかな。名前だけは知っていた太陽族が見れて、自分としては時代の流れが幾分理解出来て良かった。

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Cape God