「怪獣界の一発屋、バラン!でも、覚えてる人はちゃんと覚えてるよ!」東洋の怪物 大怪獣バラン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
怪獣界の一発屋、バラン!でも、覚えてる人はちゃんと覚えてるよ!
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1958年制作の東宝特撮怪獣映画。
後に多くの怪獣映画の脚本を手掛ける関沢新一初の怪獣映画である。
ムササビのような姿をしたバラン。
陸・海・空を蹂躙し、ゴジラとラドンを合わせたような存在。
ゴジラ、ラドンに次ぐ人気怪獣に…と思いきや、結局これ一本だけ。いわゆる一発屋。
この後「モスラ」が作られ、完全に霞んでしまった。
東宝怪獣集結の「怪獣総進撃」に出演するも、鳴き声も無くワンシーンだけ。つくづく不運な怪獣である。
さて、映画の方はなかなかムード満点である。
外界から切り離された山奥の村、荒ぶる神として怖れられる怪獣。
まだ日本の何処かに怪獣が存在する…という神秘性に溢れている。
前半はそんなムード漂う中、遂にバラン出現、猛威を奮う。
そして飛翔、文明の地・東京に姿を現す。
洋上でのバラン対海上自衛隊は、特撮と記録映像が巧みに合成され、円谷英二の手腕が冴える。
山奥では脅威の存在だったバランも文明社会では居場所は無く、最期は人類に退治される。
…と、怪獣映画のセオリーをきちんと守り、一本の怪獣映画として無難に楽しめる。
その存在も記憶も完全に忘却の彼方だが、覚えている人だってちゃんと居る!
知る人ぞ知る怪獣映画!
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