横紙破りの前科者
劇場公開日:1968年11月2日
解説
「馬賊やくざ」の笠原和夫がシナリオを執筆し、同じ小沢茂弘が監督した“前科者”シリーズ第二作目。撮影は「温泉あんま芸者」の吉田貞次。
1968年製作/90分/日本
配給:東映
劇場公開日:1968年11月2日
ストーリー
石工の竜平は惚れた芸者小づるを足抜きさせようとして、安田組の一人を殺し、刑務所に入った。数年後、竜平は獄中で知った葬いのヤスと組み、香奠荒しをしていたが、いまでも小づるの行方を探し求めていたのだった。ある日、竜平は浅草四天王の親分衆の名がつらなる大商家の告別式にまぎれこみ、多額の香奠を懐にしたものの、四天王の一人神谷に見破られ、大喧嘩の末、その場を逃げた。しかし竜平とヤスが寝ぐらにしている大正館の住人が、ヤスが捕まったと知らせた。竜平は病身の大陸浪人鉄原と共に神谷組に殴り込んだ。ところが神谷と鉄原は知り合いだった。神谷はヤスと引換えに、ライバルの高崎組を潰してほしいと、竜平に提案した。一徹ものの鉄原はそれを断ったが、金儲けのためならと、竜平は引受けたのだ。竜平はヤスと共に高崎組に乗り込んだが、高崎親分がかつて小づるとの仲を割いた安田組の三之助と知って唖然となった。そして小づるの居所を知らせることを条件に、竜平は今度は四天王の賭場を荒すことになった。そのため彼の危険を察した鉄原は、竜平の命の代りに自ら割腹して果てたのだった。竜平の賭場荒しは大胆極りなく、四天王が仕切って来た花会の権利も危くなってきた。四天王の名誉挽回を図る神谷は浪曲大会を企画した。だが、竜平は浪曲師を大正館に連れ込んでしまったのだ。この一件で、花会の権利は高崎が握ることになった。ところが高崎は四天王と話し合い、義心会を結成して手を握った。そうなると竜平は邪魔になる。高崎は客人秀に竜平殺しを命じた。一方、竜平は高崎が自分を利用するために小づるから遠ざけていたことを知り、秀を倒すと義心会の結成式場に乗り込み、あわてふためく四天王や高崎を、鉄原遺愛の二挺拳銃で倒したのだった。