切腹のレビュー・感想・評価
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日本映画の最高峰の一角にあると断言します
尋常ではない、鬼気迫るとはこの事か
恐るべき研ぎ澄まされた脚本、撮影、演出、演技、美術
一切無駄も淀みもなく、日本刀のように切り立っています
正に氷の刃のような映画でした
これ程の強烈な映画体験を得る作品も稀でしょう
観ている最中は息を詰め、終わってからは呆然と暫く動けない
そのような映画でした
俳優陣も強烈な緊張感のある演技をみせます
仲代達也のみならず、岩下志摩の微かな表情の動きは名演とはこの事をさすのだと言うべきものでした
その他の登場人物の言葉、所作のその全てが美しく磨きぬかれてあります
作劇の構成の見事さは終盤へのカタルシスをもたらしますが、残される印象は重く深いものです
何か日本人の魂の奥深くが震えるものです
カメラが捉える構図、近影遠景の焦点の味わい
、陰影はそれは本当に白黒映画の最高峰のものです
それに撮られた風吹きすさむ草の丘での決闘
井伊屋敷での殺陣の迫力も最高峰のものです
日本映画の最高峰の一角にあると断言できます
仲代達矢と三國連太郎を見るだけでも価値あり
基本的に自分は若き日の仲代達矢が非常に好きなので、彼の見事な演技を見ているだけで非常に満足なのだが、それに加えて若き日の三國連太郎の見事な演技が加わり、両雄相対して見事な時代劇だった。
白黒らしく重厚で濃密な映像で、終始見入ってしまった。
丹波哲郎の侍姿も非常に合っていた。
殺陣などには若干の不満はあったけれど、それがメインではないので、やり過ごせた。
物語には合点がいかない不自然さを感じてしまったけれど、構成がなかなか巧妙なのか、かなり話の展開を意識しながら見ていたように思う。
切腹
映画があなたを誘惑する最初の感情は、強力な武士の一族の中にあるこの厳しいドラマの息をのむような、閉じた性格です。ほとんど不動のフレームは、何も呼吸しない崇高な視覚俳句からなる窒息感と深刻さの感覚を強める(主人公とナレーションの記憶を除いて)。映画の演劇的側面は不可欠であることを示している。したがって、映画のメッセージは簡単に解読できます:閉じた古風な社会の基礎をなす原則の妥協のない批判です。一族に救済を求めるために来た貧しいロニンの貧しい運命を目の当たりにした後、私たちはそれぞれの人と各状況の既得可能な特異性を考慮に入れずに、名誉綱領の馬鹿げさと頑固さの実証にまっすぐ進みます。問題は負荷の重さです。イメージが私たちに語っていることをすでに理解しているときには、すべてが強調されています。ダイアログは単調で、時には無限大です。このような理由から、大気圏に入ることが許されている演劇的側面は、どこからでも水のように流れるすべての言葉に影響を与えます。あまり緊張することなく。柔らかすぎます。しかし、全体の華麗さが残っています。稀少な強さのシーンが巧みに演出されています : 風に吹かれた丘の決闘は、すべての最後の戦い、木製の刃を持つ残酷な切腹。
●武士とは。
浪人が切腹のために武家の庭先を借りる。腹を切られる方はたまったもんじゃない。ゆすりなのか本気なのか。
かつてそういう時代があった。意地の張り合いである。
意地を張った上で、竹光で切腹する。介錯もしてもらえず、舌を噛み切って果てる。
これぞ武士道。
彼の無念を晴らすクライマックスは痛快。ラストの井伊家の判断も見事。
いずれも見事だけれど、武士の面目など、表面などを飾るもの。
時代劇も案外いけた
モノクロ・時代劇ということで毛嫌いしていましたが、みなさんの評価が高かったのでみてみました。ストーリーはなかなかおもしろく、役者の方々の演技もすごかったのですが、殺陣がいまいちだったのと、後味が悪かったのでこの評価です。
小林正樹は苦手です
岩下志麻が尋常なくきれい。
ほとんど台詞もない役だけど鮮烈な美しさで圧倒される。
あと丹波哲郎が驚く程かっこいい。
己を貫く彦九郎には共鳴できる。
だけど苦手な映画だなあ。
武士道 VS 人間らしく生きる
体制 VS 反体制
という対立軸が分かり易すぎてどうも苦手。
どっちもどっちって気がしてならない。
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