切腹のレビュー・感想・評価
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すさまじい映画だった.同じ一つの出来事,福島藩の浪人が井伊家の庭を...
すさまじい映画だった.同じ一つの出来事,福島藩の浪人が井伊家の庭を借りて切腹したという事件を,違った見方をすることによって受け取り方が大きく異なる.井伊家の人間たちが選択する過程は合理的な判断なように描かれるものの,その後の貧困や病苦のエピソードをもって切腹の一軒を眺めれば,まったく許すことができないものになっている.結局家のメンツを守るためにすべての事件はうやむやにされてしまうこともまた,武家のシステムのおかしさ,転じて私たちが暮らしている組織の中にも同じ問題の根が存在しているのだろう.
モノクロ画面が美しくも悲しいハラキリの残酷さ
圧巻
完璧な映画
正に文芸映画と言うに相応しい作り
雄大なセットを存分に見せていく撮影
いきなり興味をそそる導入
段々と浮き彫りになる真実
最期の最期に怒濤の殺陣炸裂
仲代達矢、丹波哲郎、三國連太郎等俳優陣
中でも仲代は当時20代なんて到底信じられない。
面白い要素しかないし、余分な要素もない。非の打ち所のない傑作だった。別に日本贔屓で映画は観てないが、本当に5、60年代の邦画って世界一だったんじゃないか。面白くて奥深いバケモノ級の映画がゴロゴロ作られてる。それを半世紀以上経った今観られるのが嬉しい限り。
時代に翻弄される者たちの声にならない叫び
長年信じてきた武士としての生き方
しかし全てを失った男はその生き方から解放され、抑圧されてきた感情を剥き出しにして復讐する
最期の全てを闇に葬りさる結末は同じ橋本忍脚本の「侍」と同じだし舞台も桜田門だし共通点が多い。本作が気に入った人は是非「侍」も観てほしい。三船敏郎主演、岡本喜八監督でこちらも名作。
日本映画の最高峰の一角にあると断言します
尋常ではない、鬼気迫るとはこの事か
恐るべき研ぎ澄まされた脚本、撮影、演出、演技、美術
一切無駄も淀みもなく、日本刀のように切り立っています
正に氷の刃のような映画でした
これ程の強烈な映画体験を得る作品も稀でしょう
観ている最中は息を詰め、終わってからは呆然と暫く動けない
そのような映画でした
俳優陣も強烈な緊張感のある演技をみせます
仲代達也のみならず、岩下志摩の微かな表情の動きは名演とはこの事をさすのだと言うべきものでした
その他の登場人物の言葉、所作のその全てが美しく磨きぬかれてあります
作劇の構成の見事さは終盤へのカタルシスをもたらしますが、残される印象は重く深いものです
何か日本人の魂の奥深くが震えるものです
カメラが捉える構図、近影遠景の焦点の味わい
、陰影はそれは本当に白黒映画の最高峰のものです
それに撮られた風吹きすさむ草の丘での決闘
井伊屋敷での殺陣の迫力も最高峰のものです
日本映画の最高峰の一角にあると断言できます
仲代達矢と三國連太郎を見るだけでも価値あり
切腹
映画があなたを誘惑する最初の感情は、強力な武士の一族の中にあるこの厳しいドラマの息をのむような、閉じた性格です。ほとんど不動のフレームは、何も呼吸しない崇高な視覚俳句からなる窒息感と深刻さの感覚を強める(主人公とナレーションの記憶を除いて)。映画の演劇的側面は不可欠であることを示している。したがって、映画のメッセージは簡単に解読できます:閉じた古風な社会の基礎をなす原則の妥協のない批判です。一族に救済を求めるために来た貧しいロニンの貧しい運命を目の当たりにした後、私たちはそれぞれの人と各状況の既得可能な特異性を考慮に入れずに、名誉綱領の馬鹿げさと頑固さの実証にまっすぐ進みます。問題は負荷の重さです。イメージが私たちに語っていることをすでに理解しているときには、すべてが強調されています。ダイアログは単調で、時には無限大です。このような理由から、大気圏に入ることが許されている演劇的側面は、どこからでも水のように流れるすべての言葉に影響を与えます。あまり緊張することなく。柔らかすぎます。しかし、全体の華麗さが残っています。稀少な強さのシーンが巧みに演出されています : 風に吹かれた丘の決闘は、すべての最後の戦い、木製の刃を持つ残酷な切腹。
●武士とは。
砂のプライド
誇り高きあるべき武士故の苦労が伝わる作品でした。
内職と寺子屋でやりくりしてきた貧しい浪人生活。武士たる者物乞い等もってのほかと思いつつも、背に腹はかえられず、武士の魂である刀を質入れし、潤沢な藩の情け心に何とか訴える主人公の婿。彼は自分の誇りよりも、床に伏す妻と乳呑み子の命を選びました。そんな婿の心情を知るまでは、主人公自身も、生まれたばかりの孫に武士の心意気を口にしながらあやしたり、帯刀し続けたりしています。婿の変わり果てた姿を前に、武士の誇りも命あってこそなのだと気付かされたのでしょう。
婿の事情を知らされるタイミングが、井伊家と観客同時進行なので、こちらもそれまでどんな目で、彼の武士としての立ち振る舞いを見ていたかに気付かされます。
勇ましく命を捨てることを美意識とし、戦前まで声高らかに叫ばれていた精神論に疑問を投げかける作品です。嘘で塗り固めた面子を保つことに何の意味があるのか。何よりも人間らしく生き抜くことが大切なのだという点は、いつの時代にも通じると思います。
鬼気迫るサスペンス時代劇で引き込まれました。ただ終盤の殺陣は、いかにも昭和のチャンバラで、必殺技風のポーズが蛇足に感じました。最初から唯一情け深かった側近だけ、斬り合いを見事免れていました。
字幕が無かったため全く聴き取れず2回観ましたが、もっと評価されるべき映画だと思っています。
時代劇も案外いけた
小林正樹は苦手です
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