切腹のレビュー・感想・評価
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侍ものの映画の最高傑作
映画における脚本、音楽、役者、動作
無駄というものがなく緊張感をもったまま一気に見てしまう映画。何度みても飽きが来ない。問答形式をとって回想するスタイルがつづき、最後に大殺陣(おおたて)というのでしょうか、斬り合いがあるが、赤備えの鎧、鉄砲まででてくる。そして切腹して死んでいく。映画の途中で竹光による切腹の残酷シーンも見事に描かれている。過去を回想する場面とて自然でよどみがない。たしか「壬生義士伝」とかいう映画の回想シーンのくどさにうんざりしたことがあった。これにはそんなことはなく起承転結ほぼ完璧で無駄がない。一気にみても余韻をもって終わる。場面場面できりとっても完成されている。なかなかこういう映画は出来るものではなく、リメイクのものもみましたが相当な俳優をつかっても、どうも駄目です。さらに白黒でちょうどよかったと思うのは私だけであろうか。いやそうでもあるまい。
真剣!
能役者が主人公のまんが、「花よりも花のごとく」作中で紹介されてて知った映画。本物の日本刀で撮っていたとあり、気になっていた。どこでだと思ってたら、仲代達矢と丹波哲郎との果たし合いでだそうだ。私の眼力ではとうてい真剣と見分けられないが、やはり尋常でない緊迫感があった。しかも、曇って風が強いところで向き合ってて、一歩狂ったら大けが。なんかもう、見てるうちに変な汗が出てきた。あー怖い。
井伊家も台所は苦しいのだろうが、ちょっと厳しすぎる。苦しい立場の人間を、嘲りなぶるのはアカン。こんなんだから後々暗殺されちゃうんだよ。
何というか、いろいろ恐ろしい映画であった。武士は生きにくい職業だと思った。
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
時代劇の中でも5本指に入る作品‼️
武家社会の終焉
すさまじい映画だった.同じ一つの出来事,福島藩の浪人が井伊家の庭を...
モノクロ画面が美しくも悲しいハラキリの残酷さ
圧巻
武士道の醜悪な部分を告発する
Huluで鑑賞。
原作(異聞浪人記)は未読。
武士道とは、上辺なるものと見つけたり。武士社会の虚飾を告発し、かつて日本人が心酔していた武士道思想へのアンチテーゼがこめられた拡張高き時代劇の傑作。
全ての完成度が高いと思いました。脚本や演技、カメラワーク、殺陣、どれもが洗練されていて一切の無駄が無く、スルリと作品世界に引き込まれてしまいました。
クライマックス、覚悟を決めて武士の誇りを懸けた戦いに挑む主人公の姿に胸が熱くなりました。仲代達矢の気迫溢れる演技に圧倒されると共に、漂う悲しみに魅せられました。
※修正(2024/05/13)
完璧な映画
正に文芸映画と言うに相応しい作り
雄大なセットを存分に見せていく撮影
いきなり興味をそそる導入
段々と浮き彫りになる真実
最期の最期に怒濤の殺陣炸裂
仲代達矢、丹波哲郎、三國連太郎等俳優陣
中でも仲代は当時20代なんて到底信じられない。
面白い要素しかないし、余分な要素もない。非の打ち所のない傑作だった。別に日本贔屓で映画は観てないが、本当に5、60年代の邦画って世界一だったんじゃないか。面白くて奥深いバケモノ級の映画がゴロゴロ作られてる。それを半世紀以上経った今観られるのが嬉しい限り。
時代に翻弄される者たちの声にならない叫び
長年信じてきた武士としての生き方
しかし全てを失った男はその生き方から解放され、抑圧されてきた感情を剥き出しにして復讐する
最期の全てを闇に葬りさる結末は同じ橋本忍脚本の「侍」と同じだし舞台も桜田門だし共通点が多い。本作が気に入った人は是非「侍」も観てほしい。三船敏郎主演、岡本喜八監督でこちらも名作。
日本映画の最高峰の一角にあると断言します
尋常ではない、鬼気迫るとはこの事か
恐るべき研ぎ澄まされた脚本、撮影、演出、演技、美術
一切無駄も淀みもなく、日本刀のように切り立っています
正に氷の刃のような映画でした
これ程の強烈な映画体験を得る作品も稀でしょう
観ている最中は息を詰め、終わってからは呆然と暫く動けない
そのような映画でした
俳優陣も強烈な緊張感のある演技をみせます
仲代達也のみならず、岩下志摩の微かな表情の動きは名演とはこの事をさすのだと言うべきものでした
その他の登場人物の言葉、所作のその全てが美しく磨きぬかれてあります
作劇の構成の見事さは終盤へのカタルシスをもたらしますが、残される印象は重く深いものです
何か日本人の魂の奥深くが震えるものです
カメラが捉える構図、近影遠景の焦点の味わい
、陰影はそれは本当に白黒映画の最高峰のものです
それに撮られた風吹きすさむ草の丘での決闘
井伊屋敷での殺陣の迫力も最高峰のものです
日本映画の最高峰の一角にあると断言できます
単なるチャンバラ劇ではなかった
マーティン・スコセッシが深い感銘を受けた映画だと知って、前々から気になっていたのですが、話の内容は全く知らないまま観賞。ただ残忍な切腹シーンを見せる映画ではなく、これほどまでにメッセージ性が強い物語だったとは…。
チャンバラ続きかと思えば、そうではなく、中盤までは井伊家の家老と津雲の会話続きで、津雲がいざ切腹となったときに、身の上話がはじまって、はて、どうなるか?と、否が応でも引き込まれていきます。
津雲が娘婿、求女のことを語った言葉言
しかし、よくぞ、血迷うた
拙者、褒めてやりたい
いかに武士とはいえ
所詮は血の通うたる人間
かすみを食うていきていけるものでもない
武士の面目など上辺だけ
三島由紀夫の『葉隠入門』を読み始めたばかりで自分にとってはタイムリーな観賞でした。三島によれば「切腹という積極的な自殺は、西洋の自殺のように敗北ではなく、名誉を守るための自由意思の極限的なあらわれである」らしいですが、三島由紀夫自身はこの映画『切腹』を高く評価しています。もっとも、映画では「形骸化した武家社会」として、武士道のありかたに疑問を投げかけているのですが。
仲代達矢と三國連太郎を見るだけでも価値あり
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