劇場公開日 1962年9月16日

「モノクロ画面が美しくも悲しいハラキリの残酷さ」切腹 ezuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0モノクロ画面が美しくも悲しいハラキリの残酷さ

2022年4月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

興奮

関ヶ原後、主君を失い仕事がなくなった武士は、狭い庭を耕したり手内職で食いつなぐしかなかったが、食うに困った家庭を持ち侍の貧困は悲惨を極めた。
そこで現れたのが「切腹稼業」玄関先に現れては「切腹のためお庭拝借」と申し出で、汚されたくない上屋敷側が金子を握らせて追い払うという稼業が流行った。

話は、傘張りをする父と身重の妻を持つ侍が、背に腹はかえられず敢行したのがみみっちい「切腹稼業」。だが、武士の鏡である大小を下げて乗り込んだはいいが「切れるものなら切ってみろ」と開き直る意地悪な家老が現れる。

ハラキリの残酷さと親子愛が絡んで、凄惨な修羅場が展開されるモノクロ画面が美しくも悲しい傑作。

ezu