セーラー服と機関銃のレビュー・感想・評価
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監督が無能・脚本が雑・演出が珍妙
公開当時大ヒット・大ブームを起こした本作品。当時の自分は小学生で、内容の細かい点は覚えていない・理解していないけど、とにかく大興奮したので、面白い映画だと思っていた。しかし、今回改めて鑑賞して実に酷い作品だったのだという事が分かって衝撃を受けた。
間の悪いオープニング、いきなり意味不明にブリッジして薬師丸ひろ子登場、焼香を上げているのがオープニングで亡くなったお爺さんに対してなのかと思いきや、実は同じタイミングで死んだ事になっている父親というのがややこしい、遠距離でカメラ固定して延々と長回しのカットが何箇所もある、風祭ゆきの役柄設定が適当で雑、折角三国連太郎が出てるのに、本人と識別出来るカットが一つも無い、豪華な衣装着て海辺で食事会した後の意味不明な殺し合い、数え上げればキリが無い。この人達って本当に映画製作のプロなの?こんな演出に延々と付き合わされた若き日の薬師丸ひろ子が可哀想。
その全ての意味不明で雑でいい加減な展開と演出が、薬師丸ひろ子の唯一無二の魅力だけで支えられ、そしてエンディングに流れる名曲で、何だか分からないけど素敵な映画を見終えた気分にさせられる。
相米慎二にしか撮れない唯一無二の一作に、カ・イ・カ・ン!
監督の相米慎二、主演の薬師丸ひろ子、角川映画にとっても代表作の一本。
長澤まさみや橋本環奈主演でリメイクされた事も記憶に新しい。
名作ではあるが、今見るとツッコミ所満載でシュールであったり、相米監督のアート精神が反映されたりと、何とも不思議な魅力を持った作品でもある。
まず、ツッコミ所。
女子高生がヤクザの組長を継ぐ…という話の根本そのものを突っ込んだら埒が開かないので、
例えば、泉と佐久間のロマンスやキス。大人の男性への憧れと言えば聞こえはいいが、ズバリ言えばセーラー服女子高生と中年男性のロリコン的LOVE。これ、名作だから何も言われてないようだけど、昨今のアホ設定の先生と生徒の禁断LOVEと何が違うのだろうか。
泉が大仏の上であぐらをかいたり、バスタオル姿でゴロゴロしたり、他にも意味不明な怠惰的なシーンがちらほら。
薬師丸ひろ子の直球のアイドル映画だと思ったら、一風変わった作風に戸惑う事間違いナシ。公開時、絶対賛否呼んだだろう。
その仕掛人である相米演出。
代名詞的長回しやロングショットの多用など、それが単なるアイドル映画に留まらない才気を見せる。
この時の薬師丸ひろ子の演技は拙い。『~卒業』で橋本環奈の演技がフルボッコに叩かれたが、演技力にそう変わりはない。
決定的に違うのは、薬師丸ひろ子の魅力を充分引き出し、女優としての成長をドキュメントのように取りこぼさず、それでいてちゃんと薬師丸ひろ子のアイドル映画として、恋を知って少女が一歩大人になる青春ドラマとしても確立している点である。
アイドル映画であり、青春映画であり、実験的アートフィルムであり、
説明不要のあの名台詞・名シーン、名主題歌に酔いしれる。
相米監督にしか撮れない唯一無二の一作。
たがらこそ、カ・イ・カ・ン!なのである。
なんじゃこりゃ?
何故か心に迫る
国民的スター薬師丸ひろ子
いろいろと凄い
よくよく考えたら主題歌と「カイ・カン」のシーンしか知らなかったので、続編(橋本環奈主演)公開前に予習がてら見てみたら、いろいろと驚かされることばかりでちょっとビックリでした。
80年代前半の邦画はほとんど見てないので、これが特別なのか、それとも普通なのかはよく分かりませんが、今見ると逆に斬新だったりしますね。
もう何かとおかしな描写ばかりで、え?え?え?と頭の中が何度も混乱しましたが、そもそもタイトルからして「セーラー服と機関銃」とまあむちゃくちゃな組み合わせですから、深く考えることはないのかと、自分を無理やり納得させながら見てましたよ(笑)
警察の捜査中普通に高校生達が現場に入ってまったりしてたり、薬師丸ひろ子が大仏の上であぐらかいてたり、無駄なブリッジシーンが多かったり、ビルの上にお墓作ったり、ふとっちょの変人ぶりがとんでもなかったり・・・これは相米監督の案なんでしょうか?
とりあえず意味不明だけど、カメラワークも含めてインパクトの大きい、まさに古き良き時代のアイドル映画って感じでしたね。
真面目に見たら突っ込みどころしかない映画なので、きっと真面目に見てはダメな映画なのでしょう、とにかく薬師丸ひろ子を堪能する、そしてありえない設定を楽しむ、それに限ります。
女子高生がヤクザの組長になる?そんなシチュエーションからして既に失笑物なのですが、見てると何だかんだで感情移入して、組長を守ってあげたい気持ちにさせられるんですよね。
組員が一人、また一人と死んでいくに連れて感情は高まり、あの名シーンへと辿り着く、ってまあ正直褒められた脚本ではなかったですが、私は嫌いじゃないです、そしてラストはこれぞアイドル映画な描写って感じで、萌えましたよ!
しかし星泉を演じた薬師丸ひろ子が相当可愛かったなぁ、そして泉を守る佐久間を演じた渡瀬恒彦がカッコ良かった、彼の存在感で映画が何とか締まりましたね。
子分にまだ髪がフサフサの酒井敏也がいたり、泉の同級生役に柳沢慎吾や光石研がいたり、刑事役の柄本明が若かったり、妙にツボな懐かしさも印象深かったです。
それにしても、薬師丸ひろ子はリアクション芸人並に結構体張って頑張ってたんですね!
本物の制服を着た薬師丸ひろ子万歳な映画
総合60点 ( ストーリー:5点|キャスト:65点|演出:40点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
ある意味で定番の赤川次郎と角川映画の両者が組んだ物語のあまりの馬鹿馬鹿しさには、もうどこが不自然だったなんて突っ込む気力すらなくさせる。登場する脇役の悪いやつらの演技も緊迫する場面の演出も、基本的に低質で失笑もの。
だが当時通っていた東京都立八潮高等学校の制服をそのまま着て撮影したという(ウィキペディアによる)、上半身を伸ばすたびにセーラー服からおなか周りがちらりとのぞく、まだ少女な薬師丸ひろ子の初々しささえ楽しめればいい作品。ほんとくだらない内容なんだけれど、でも彼女の魅力でなんとなく観れてしまう。それ以外では渡瀬恒彦が相手役で貢献していた。
30年振りに出会えた懐かしい女子高生
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