青春の殺人者のレビュー・感想・評価
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0118 初見は強烈な印象でした。
1976年公開
またしても原田美枝子♥顔かわいくて胸デカい!
日本のオリビアハッセーだ!
市原悦子凄い!仕事人ここでもしとったか。
右京さん、僕としたことが後処理が雑でしたね。
針が振れちぎっている感じのシャシン
60点
こわっ。
成田闘争が起きている時代背景で、当時の空気感がなんと無く伝わる。成田空港に隣接する当時からある反対派の活動拠点に何年か前に行ったことがあるが、そに時のことをふと思い出した。
母親を殺すシーンが、すごい演劇を観ているみたい。でも、何度も刺した後の死体を見て、驚く主人公の演技はちょっとわざとらしいかなぁ。終始、演技が棒読みにしか聞こえなかった…。
ただ、ストーリー的にはどうなるのかハラハラして面白かった。実際にあった話しが元になっているらしいので、調べたらだいぶ実際の話しとは違いそう。主人公も大学生だったみたいだし。
犯人は死刑判決になっているけど、まだ執行されずに服役しているらしい。調べたけど、死刑囚の死刑執行って、どうやって決まってるかよくわからないんだ…。もっと後に死刑が確定したのに執行された人もいるし。
明日死刑が執行されるかもしれないという気持ちで、30年近く刑務所で生きてるんだ。とか考えてしまった。
学生運動で血が騒いでいた頃の事件?
実際の事件、佐々木哲也事件を基にしているが、二人の殺人については、本人は否認していたらしい。成田空港の建設反対運動が出てくる1976年の作品
主人公の父母は苦労して身一つからタイヤ工場を立ち上げ、贅沢一つしないで息子を育てている。息子は真面目だが、風俗に勤めていたケイ子と付き合い、深い関係になって歯車が狂いだす。
ここでのケイ子(原田美枝子)は、はすっぱな感じでなく、あどけなく綺麗な顔立ち、豊満な体つきをしている。(当時17歳で裸体を晒すのが考えられない)その時の感情に素直で、深い考えなどなく相手に流されやすいようなキャラクター。それに対して順(水谷豊)は、頑固で、無計画、直情的で、甘ったれ、母に甘やかされて育ったかのよう。
なぜ、父親を殺したのか? いつも父親は与えていたものを取り返す。
自分は、ケイ子が素晴らしい伴侶だと思ったら、イチジクの木を盗んで食べたという嘘をついたり、母親が招きこんだ男に貞操を破られたことが発覚。父に好奇心で自ら引き込んだのではと言われ、自分が大切に思っていたものを取り上げられたと思い、逆上、めった刺しをして殺したように描かれていた。
父親を殺した後の母親との争いが狂気。父殺しを発見して、息子を責めない、自分はこれを待っていたような気がすると。息子の自首を思いとどまらせ、死体の処理を謀議、その後の逃亡生活に夢を抱いたかと思いきや、死体となった夫にやさしい感情になったり、息子が最初から両親を殺害するつもりだったかと疑って殺そうとしたり、自分を殺してと哀願したり。市原悦子ゆえにその狂乱ぶりが可能だった。
その後、順とケイ子の絡み、死体遺棄、スナックに戻っての騒動、自殺騒ぎの経緯は、最初はケイ子にばれないように、巻き添えを食わせないようにと考えていたが、徐々にケイ子がいたから自分も影響を受けて、刹那的、衝動的に変わっていって、父や母が築いてきた幸せと自分の未来を、奪ってしまったことに気づいたという描き方だった。
事件は理由なき殺人と世間を賑わしたようだ。この映画もインパクト大。学生運動は、大人やその時代が押し付けてくる価値観や体制に対して若者が抗ったもの。そのエネルギーの向かい方が、自分の親に向けられた時、こんな事件が起こってしまうというメッセージか。確かにこの頃、親殺しが、ニュースの話題となっていた記憶がある。
最後、トラックの荷台に乗って、一人自分の犯した罪を呆然と見ている姿でエンディング。学生運動と同じく、何も得られずを表している。
なにもかも濃い
960年代の青春は自分も肌感覚ではわからない。
この主人公の父は苦労人で
自分のような苦労をさせたくないとの思いから
正直たいして能のない息子にも店を与えてやり、
60年代としてはかなり過保護だったと想像する。
この当時は、大変な思いで学校に行かせているというのに
学生は徒党を組んでただ騒いで遊んでるばかりだという
大人の認識だったのだろう。
それくらいなら一円でも稼いだ方がいい、というのは
特別厳しいわけでもなく標準の認識だったのだ。
しかし息子にとっては自分のやりたいことを取り上げられて
鬱屈する日々。
甘やかされて育ってるだけに
思い通りにいかないことが耐えられない。
おそらくはこの恋人が童貞を失った相手で
それだけ執着も強かった。
恋人でも友人でも思春期の自分の社会を
否定する大人には激しく反発するものである。
その衝動のまま行動してしまったが
根っこから親を憎んでいるわけでもないし
親の庇護なしでは何もできないと
徐々にわかってきても後の祭り。
映画最初の傘のくだりに関係が集約されている。
壊れた傘を捨てようとする母に
父は直せば使えるだろうもったいないと止め、
その壊れた傘を持って母は出かけていく。
貧乏くさいとも思えるそんな両親が
息子にとってはダサくて恥ずかしい存在であるに違いない。
そうやって倹約して自分を育ててるのだとわかっていても、である。
それにしてもこの映画に登場する女たちは
直面する現実に対して
適応度合いが抜群で男たちは置いてけぼりではないか。
監督としても女ってよくわからないなという
認識だったんじゃなかろうか。
そこが逞しくほっとできるのが恋人で
おぞましく奇異にうつるのが母親。
市原悦子との攻防戦は夢に出そうなトラウマレベルだ。
まさに怪演。
内容は面白いし、考えさせられる
実際の事件をもとに書かれた中上健次の短編小説を映画化した作品。息子を溺愛していたために過保護に育てあげられた青年・・・そりゃ20歳も過ぎれば親子の行き違いなんていくらでも出てくるわなぁ。
発作的に店をたたむといった行動や両親の死体を海に捨てるといった行動。さすがに犯罪心理学まではわからないが、わからない行動があるために犯罪は起こるんだと思う。結局、親がいなくなれば、支えがなくなり、自分でも何をすればいいのかわからないといった主人公だったのだろう。イチヂクの木があったかどうか、そんな妄想めいたことも性格の一部なんだろうけど、おかげで何も信じられなくなったんだろうな。ふと思い出した両親のアイスクリーム売りの姿が妙に生々しく感じられた。
市原悦子と水谷豊のやりとりが凄い!近親相姦を迫る市原は過剰な演劇っぽく、白々しくも感じられるが包丁を突き立てられ「痛い!痛い!」と呻くところがリアルだった。
若い原田美枝子の裸体がまぶしくまぶたに焼き付くくらい。だけど、一本調子のセリフ回しは下手くそとしか言いようがない・・・
水谷豊=24歳のメモリアル
1976年。長谷川和彦第一回監督作品。
原作は中上健次「蛇淫」
ストーリーは小金持ちの両親を殺して海に遺棄した青年の実話を元にしています。
1976年だから成立した映画。
親殺しの描写が、今ならあり得ないほど、リアルです。
本気で包丁でお腹をズブズブ突き刺す、何度も何度も突き刺す。
血溜まりに横たわる父親の死体。
見に来て驚いた母親は躁状態になり、浮き浮きと、
「整備工場を売ろう!!土地だけで2500万、スナックも売ろう!」
「そして15年。時効が来るまで、2人で逃げよう・・・」
「指図すんな!!」
順(水谷豊)は、無理心中を計ろうと、ナイフで襲ってきた母親(市原悦子)まで、
殺してしまう。
一人息子の順を愛する両親は、与えたものを取り返す癖がある。
車を買い与えたのに、気に入らないと、取り上げる。
スナックも買い与えて息子を店長にして、可愛い娘ケイコ(原田美恵子)を雇う。
順とケイコが恋仲になると、過去を探って、ケイコと別れる事を強制する。
ケイコの悪口が、父親殺しの動機。
それにしても、原田美恵子は惜しげもなく裸になる。
健康的で力強く美しい。
(今の女優には、真似できまい)
母親役の市原悦子は演劇調の大袈裟な芝居・・・怪演だった。
水谷豊はとても自然な演技。
後と先を考えず怒りに任せて親殺し・・・親殺し、の恐ろしさに震えることも、
怯えることもなく、冷静に死体を毛布でくるみ、重しを付けて、埠頭から遺棄する。
水谷豊、24歳。
原田美恵子、17歳。
長谷川和彦、30歳。
音楽は「ゴダイゴ」
(ミッキー吉野の曲は英語のカントリー風。やけに安っぽい。
(既成の曲の方が良かったと思う)
『太陽を盗んだ男』1979年と、
『青春の殺人者』1974年。
この2本しか監督作のない長谷川和彦。
この映画も強烈な印象を刻む。
中上健次の土着性が、成田空港建設反対運動とも、よくマッチする。
日本のヌーベルバーグだ。
やはりツマラぬ。
30年ぶりの再見。
やはりツマラぬ。
ギャーギャー騒ぐだけで新味無し。
同年の男はつらいよ寅次郎夕焼け小焼け(こちらは大傑作だ)排除の為の評論家陣の組織票でキネマ旬報一位を獲ったとの説も頷ける。
平凡パンチな原田美枝子を愛でる楽しみのみ。
尤もらしいが。
水谷豊24歳、原田美枝子17歳
主人公(水谷豊)は何でも他人のせいにする青年で、気ままな父親(内田良平)と過保護な母親(市原悦子)を衝動的に殺してしまう。
父から任されていたスナックのホステス(原田美枝子)がまとわりついてきて、言われることに動揺してしまう。
長谷川和彦の第一回監督作品で、なかなか見せてくれる。
熱情は感じるが。。
名前がちらほら出てくる映画なので、観てみた。実際の事件を題材にした中上健次の小説「蛇淫」を原作にしたもの。感情をコントロールできない若者の様子にはいまひとつ共感しずらいが、生々しい熱量のある映画であるのは違いない。
1970年代の熱を感じる。主演の若かれし水谷豊、原田美枝子の演技も迫力ある。原田美枝子の豊満なヌードもいい。ただし、親殺しの場面はみていられない。作った監督は狂気の沙汰だし、かなりのアウトローに違いない。
本当に描かれているのは、おそらく連合赤軍の山岳キャンプ内ゲバ連続殺人事件だ
本当は70年安保闘争と学園紛争の情熱の残り火を消せずに自暴自棄になった若者達の物語だ
実際に行動したものは連合赤軍のメンバーだ
映画にして代償行為ですませたものが本作だ
本作に撮される父や母の殺人、自己と恋人の自殺未遂はそのアナロジーなのだ
物語自体に大した意味はない
高校時代の八ミリ映画はその過去の熱い記憶
成田闘争の検問の機動隊も残り火をぶつける相手を求めているだけに過ぎない
当時のその70年安保闘争と学園紛争に身をおいていた団塊世代ならば共感できるのだろう
あるいは心を揺さぶられるのかも知れない
しかし、21世紀に生きる私達にとってそんなことはできない
無軌道な狂乱ぶりを理解も共感も出来はしない
本当に理解不能だ
冷たく醒めた視線で観るほかない
では21世紀の我々は本作を観る意味と意義は一体何であろうか?
団塊左翼老人達の胸中にはいまもこのような狂乱の残り火がくすぶっているのだということを知ることができることだろう
彼らに洗脳され利用されないようにするために観る意義はある
クライマックスのガソリン放火シーンは、つい先日の36人もの前途ある若者達が生きながら焼き殺された京都アニメーションのガソリン放火事件を思い出してしまう
ガソリン放火がどのような爆発的で破滅的な結果を及ぼすのか我々は知っている
団塊左翼老人が夢想している体制へのガソリン放火のイメージは本作のイメージなのだろう
実際は京都アニメーションのような結果になるのだ
絶対に阻止しなければならないのだ
映画としては水谷豊と原田美枝子の演技は素晴らしくその後の活躍を十分に予告しているものだ
映像も今村昌平門下生らしいものだ
それぞれに星一つづつオマケだ
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自宅(CS放送)にて鑑賞。エンドロールでご贔屓の中上健次が原作だと知るが原作とはかなり異なる仕上がり。全篇を通し文法を無視した感覚的な構成に加え、粗い演出が目立つ中、殺人シーンのみ妙に艶かしく説得力有り。主演水谷豊の演技はかなり微妙な上、ヒロイン原田美枝子(当時18歳)に至ってはまるで学芸会さながらだが、溌剌、あっけらかんとした若さが救いか。当時、衝撃的だった筈の内容も今では在り来たりで、時代性を感ず。全体を見渡すと市原悦子の怪演が際立ち、内容とは裏腹な雰囲気の音楽(ゴダイゴ)が印象的。50/100点。
。鑑賞日:2011年5月25日(水)
普遍的評価と時代性で動く評価
市川悦子さんの追悼の意味で、公開時から初めてとなる再見。当時でも彼女のセリフに笑いも起きていて、実に芸達者な女優と思ったことを思い出すが、改めて今回見ると、母親の息子に対する近親相姦的愛情を滴り落ちらせる怪演。この過剰にも見える演技が、息子の母殺しに説得力を与えてるところに改めて凄さを感じさせた。
当時、圧倒的な印象を与えられた原田美枝子さんの魅惑的演技は、今見ても全くそのまま色あせず魅力的。そう、この映画は原田美枝子看板の映画である、との印象は当時と全く変わらず。
しかし当時強烈に覚えた、従来と異なる新しい傑作映画との認識に関しては、今回見たところ、相当に消失していた。そういう時代であったいうことか、壮絶な両親殺しや自分の店燃やしも、家庭・土着・しがらみや過去との決別する未来志向と捉え、ゴダイゴによる音楽も伴って新しいと共感していた部分が大であった気がする。
今見ると、主人公の身勝手さや幼さや優柔不断さが余りに目につき、学生運動はもとより中途半端な若人の自己主張に、ゴジさんは批判的、もしくは己達のダメさ加減に超自覚的である様に思われた。
ラストのトラックに乗り込んでの移動も、当時感じた颯爽というよりは、他人任せ運頼みで、彼女も含めた親の与えられた環境からのやっとの思いのかろうじての脱出に思える。まあ、単純に肯定はしない、諧謔性伴う単純さを許さない知性は、買いとは思えた。
青春の初期衝動
母親との押し問答に時間を割いてその場面がとにかく長くてそこがまた面白い。
常軌を逸しブッ飛んだ発言に行動をとる母親がキチガイ過ぎて水谷豊と市原悦子の遣り合いが迫力のある舞台劇を観ている感覚に。
とにかく原田美枝子が頗る可愛くて当時十七才で演じていたことに驚いてしまう、彼女の魅力が凄まじい。
断片的に映像をつなぎ合わせた演出など常に興味心を煽られ長谷川和彦、水谷豊、原田美枝子からなる三者三様の若いエネルギーが爆発したその時にしか撮れなかった魅力が溢れ出ている。
エネルギー全開の映画。
いや~良かった~。俳優や女優達の演技のパワーに圧倒されちゃった。ストーリーも過激な内容ながら当時の若者の気持ち複雑な性経験を持つ彼女や彼氏の葛藤、一瞬の過ちの後悔と苦悩をきれい事無く描かれているなと思う。当時17才だった原田美枝子があれだけの体を張った演技は実力で女優に這い上がる気力を感じました。今の若手女優とは比べ物になりません。水谷豊も難しい役を体全体で演技をしてる凄まじさも圧巻です。
面白かった
大昔にレンタルビデオで見ていつかスクリーンで見たいと思っていてようやくシネウィンドの『原田美枝子』特集で見れた。
水谷豊が父親を刺殺して服や手が血だらけになっていて、早く洗って欲しいと思っていたのだが、その後、死体を風呂場に運んだり、母親と殺し合いになる際にもっと血だらけになるから全然その必要がなかった。
市原悦子が舞台劇みたいにすごいセリフ量で、また感情が目まぐるしく変化して、あげくに何度刺しても痛がるばかりでなかなか死なないのがすごく恐ろしかった。
また、水谷豊が包丁でリストカットする際、血が出るものの「こんなんじゃ死なねえ、いてえだけだよ~」と叫ぶところなど、悲惨なのに、変にリアルでどこかおかしい感じがした。
原田美枝子のくったくのない笑顔が素晴らしくキュートだった。レイプみたいなセックスばかりしていて可哀想だった。もっと大事にしてあげて欲しい。
以前に見た時に、道路を検問している機動隊に「親を殺した」と自首するのに全然相手にされないところは強く印象に残っていて、やっぱりすごく面白い場面だった。
お父さんが、戦争経験者だったり、学生運動や成田闘争が賑やかであったりする一方で、海水浴で気楽に遊んだりする若者の様子も描かれ、時代背景が自然に感じられた。
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