劇場公開日 1992年10月31日

「エレクトリック・ホースマン(出逢い)」青春デンデケデケデケ 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0エレクトリック・ホースマン(出逢い)

2023年12月26日
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鑑賞方法:映画館

芦原すなおの直木賞受賞作の映画化だが、香川県観音寺が舞台で、著者も同地出身なので、自伝的な作品なのだろう(原作未読)。大林宣彦と言えば故郷尾道にこだわって映画を撮ってきた人だが、今作では瀬戸内海を渡った対岸を舞台にしたことになる。
田舎の垢抜けない男子高校生たちのバンド活動の話で、一応文化祭でのライヴがクライマックスになるのだろうけど、さして劇的なエピソードがあるわけでもなく、淡々と微温的に日常をスケッチしていく。何年か後の現在から回想している風のナレーションが入るが、どっちつかずでその設定があまり生きていない。役者は鈴木福君似の主人公以下なじみのない人が多く(浅野忠信を除く)、台詞は朴訥と言うか学芸会風。
フラダンスなり吹奏楽なり、素人が努力を重ねてそれなりの果実をつかみとる系の物語は数多に存在しているので(そういうコンセプトでもないのかもしれないが)、その中でもごく薄い印象しか残らなかった。
私はどうも大林作品とは相性が悪いみたい。

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梨剥く侍