「宿命という言葉の重さ。」砂の器 のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)
宿命という言葉の重さ。
どの時代に、どんな親の元に生まれるのか。
子どもの人生に与える影響の大きさをものすごく感じた。
また、偏見、無知、恐れ、思い込みなどによって排除される人たちは、どんな時代にも、どんな場所にいるのだ。
その事実を見ようとしないだけで。
三木巡査のような人は、「正しい人」だと思う。
その正しさをしんどいと感じる人がいるということを、想像することさえできないほどに。
まさしくそこが、和賀が逃げ出した所以だ。
和賀の内面は、父親と旅していた頃のまま、孤独だったんだろう。
どこか古臭さを感じて、敬遠していた日本映画の名作たち。
今年、「八甲田山」と「砂の器」を観て、おじさん、おじいちゃんと認識していた俳優さんたちの若かりし頃を観て、その魅力を改めて感じた。
どちらも、ホントに観てよかったです、長さも感じなかった。
また、現代に比べて、この頃は本当に人と人との距離が近く、ボディタッチも多い。
今なら個人情報漏洩になるような情報が、バンバン出てくる。
うっとおしくも懐かしく感じる、もうこの密な感じで人と過ごすことはないのだろうなと思う。
だって、直接会うより機器を通しての方が、便利だし負荷が少ないもん。
でも、きっと、その分。
我賀のような孤独を感じる人は、増えているのかもしれないなあと思いました。
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