「過酷な運命が紡ぐ壮大な人間ドラマ」砂の器 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
過酷な運命が紡ぐ壮大な人間ドラマ
かなり大昔に劇場鑑賞した作品だが、今でも鑑賞した時の衝撃ははっきり覚えている。
冒頭シーン。波打ち際に作られた砂の造形物が、波が打ち寄せる度に少しずつ崩れていく様を憂いを込めて描く。作品タイトルとリンクしていて、作品世界に観客を誘うプロローグであり、凄い作品を観るんだなという予感がした。
JR蒲田駅近くで発生した殺人事件。犯人に結び付く手がかりは少なく、捜査は難航する。しかし、捜査を担当した二人の刑事は、わずかな手がかりをもとに、執拗に、粘り強く、執念の刑事魂で、犯人に迫っていく。
本作は、単なる犯人捜し物語ではない。壮大な人間ドラマである。
犯人の犯行動機が、あまりにも切な過ぎる。
犯人の子供の頃の回想シーン、差別を受けて父子で日本各地を放浪するシーンが、感動的で美しく、哀しく切ない。日本の美しすぎる四季の風景と、壮大で優美な音楽が相まって、いつ果てるともない放浪を続ける父子の姿に感涙必至。繰り返し挿入される、このシーンが作品の背景色的な役割を担っている。作品の雰囲気を作り出している。
父子がようやく辿り着いた安息の地での出会いが、後の過酷な運命につながっていく・・・。
差別、運命、宿命、生きること、愛すること、栄光、悲劇、等々、様々な要素を巧みに盛り込んでいる。それらの要素について深く考えさせられる作品である。長尺作品であるが、作品世界に入り込んで、この壮大な物語を鑑賞、否、体験することができる。正しく映像体験することができる。
観終わって、場内が明るくなっても、席から離れられなかった。暫く観終わったという充足感と、圧倒的な感動の余韻に浸っていた。
こんな作品を後何本観られるだろうか。
こんな作品に出逢えることを信じて、映画生活を続けていきたい。
素晴らしい感動のレビューですね。
みかずきさんの情感を揺すぶるレビューに
参りました。
ご挨拶が遅れてすみません。
(恐縮してます、)
こちらこそ宜しくお願致します。
みかずきさんのベスト1の映画。
本当にこんなに美しく悲しい映画はありません。
海辺を歩く親子の巡礼のシーン。
日本の四季の美しさ。
流れる壮大な音楽。
切ないけど、決して暗い映画では無いですね。
他作へのいいねありがとうございました。コレ 現実には 多分 フィクションなんですけど
不当に 病気や差別で苦しんだ方々からのご意見要望で 最後 唐突に字幕入るみたいです。
・い関連差別法案の廃止は もう平成になってからですね。
でも、実際戦前に差別あったと思いますし、丹波哲郎の面会場面は 原案では 防護服着用 だったそうです
普通の背広で 正座で下から目線 協議の結果 よく計算されてます。良かった 刑事の上から目線でなくて
私は 📼ビデオ DVD📀 本とDVD📀📕セット ブルーレイ・ディスク🥏 全て持ってます 15回くらい
私は昭和49 子供なので、当時存在すら知らなくて残念。
世の中の理不尽 言われなき差別故に瞬間的にエゴイストとなった主人公、丹波哲郎の下からの問い詰め
嗚咽する加藤嘉 映し出される三木謙一の善意の好転 おっしゃるとおり 音楽が素晴らしく
捜査会議 埼玉会館 悲しい旅路の場面切り替えが素晴らしい
実は 全大蔵大臣田所重喜 佐分利信が 個人的にツボです 独り言です。長文すみません🙇
共感ありがとうございます。
劇場でご覧になったことがあるのですね。
それは迫るものがあるでしょうね。
ハンセン病で旅をするのは、本当に過酷だったと思います。
ひどい差別が招いた悲劇に、胸が痛くなります。
名作ですね。