「悲しくも家族を思い遣る気持ちに打ち抜かれる作品」砂の器 aoironomeganeさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しくも家族を思い遣る気持ちに打ち抜かれる作品
松本清張の原作小説は実家にあったが、タイトルと親が購入したことの時代錯誤的な勝手な解釈で読んでいなかった。
自分も親ほどの年齢になり、何気に見てみようかと思い立って、アマプラで鑑賞した。
ストーリーはサスペンスの流れで進んでいくが、40年以上も前の作品ということもあり、言葉ははっきり分からず、方言も強く、現代のハリウッド映画を吹き替えで見るようにスッキリ見ることはできない。
それでも俳優の演技が素晴らしく、魅入らせる力は十分にあったと思った。
前半の物語は、刑事が犯人像を延々探し求めるが、遅々として進まないように見せている。参考になるであろうことも、結構あっさり流されていたり。しかし、その前半は残り40分への単なるステップであったかのように、恐ろしい事実が明かされていく。
これは、松本清張の代表的なサスペンス物語ではなく、時代と人間の心を捉える大きなテーマを、見る人に訴えるものだと分かった。
そして、それは俳優の素晴らしい演技がいかにその訴えを切実なものとしているかを如実に伝えていると感じた。
とてもとても大きなテーマを心に打ち付けられることとなった。
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