「夢から醒めてみれば」THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5夢から醒めてみれば

2025年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『シン・ゴジラ』抜きにはエヴァは語れないのかもしれません。
一応の完結を迎えたのがこの作品で、圧倒的なヴィジュアルは映画館の大スクリーンに映えていました。それにしても公開の手順が非常にトリッキーで、まずは総集編と、完結編の途中までという形で劇場版をやり、それにはDEATH&REBIRTHという2部形式のタイトルをつけ、まるで『伝説巨神イデオン』の劇場版を彷彿とさせる公開形式をとりました。

その、いよいよ完結編として公開されたのが本作。そして非常に残念な結末を迎えたのでした。それは、観念的な収束に過ぎず、人類がどうなったかなどの重要なポイントは描かれないまま、それぞれのキャラクターがフレームから消えていきます。

ある意味、テレビ版とは違う結末が描かれており、これが物語の帰結と言えなくもありませんが、その後コミック版が独自の結末を迎え、さらには劇場版の新シリーズも立ち上がるという、物語としては全く収拾つかない状態に。さすがに、追いかける気にもなれず、ひところの熱病が嘘のように冷めた状態になりました。ところが、『シン・ゴジラ』で、庵野秀明氏が復活なさって、がぜん注目を浴びる展開になりつつあります。

とにかく、この映画一本単体として見れば、非常に不完全で、なにが言いたいのかまったく理解できない内容になっています。ただ、異常にテンションが高く、漂う緊張感だけは、アニメ史上例を見ないものだったといってもいいのではないかと思います。

うそつきかもめ
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