心中天網島のレビュー・感想・評価
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人形浄瑠璃
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冒頭では人形浄瑠璃公演の映像を背景にして、監督が脚本担当の富岡多恵子に電話するという、不思議なもの。冒頭のみならず、本編においてもずっと黒子が登場するという風変わりな演出は印象に残る。
兄の孫右衛門(滝田)が2人の心中を心配して、武士の恰好をして小春(岩下)の予約を取りつけた。金の面で勝る太兵衛(小松方正)が、金のない治兵衛(中村)の代わりに小春を身受けしようと申し出たりするが、小春の気持ちは揺るがない。「死ぬつもりはない」と言った小春だったが、実は治兵衛の妻・おさん(岩下二役)から「夫を死なせないでほしい」と文をもらったために義理を立てて芝居をしたのだった・・・
兄にも義母にも責められて落ち込む治兵衛。しかし、物わかりのよいおさんはへそくりや、金になる着物を差し出してまで「小春を身受けしろ」と夫に言う。なんとか死なずに済むような方向になったのに、今度は頑固者の義父(加藤嘉)が責めたてる。しかも、おさんを連れ戻しに帰ったのだ・・・結局心中するしかなかったのね。
とにかく映像が面白くて、ぐいぐいと引き込まれる作品。舞台劇を意識した作りもいいし、エロ度もほどほどに良い。岩下のオーバーアクションには共感できないものの、他の人物が押えた演技で素晴らしい!
【2013年ケーブルテレビにて】
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