劇場公開日 1952年12月10日

「 陸軍内部での古参兵から新兵への陰湿なリンチを描いた野間宏原作の映...」真空地帯 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

未評価  陸軍内部での古参兵から新兵への陰湿なリンチを描いた野間宏原作の映...

2025年8月8日
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鑑賞方法:映画館

 陸軍内部での古参兵から新兵への陰湿なリンチを描いた野間宏原作の映画化作です。

 内務班での暴力なんて言うのは僕が子供の頃には映画やドラマでしばしば目にしたものでしたが、近年の戦争映画では見なくなりました。戦場でなくとも、また米軍機の爆撃を受けずとも人間性の摩滅はこうして確実に進んでいたのです。日本国内で日本人に対してすらこれほどの獣性が噴き出すのですから、当時のアジアの人々への扱いも想像できます。しかし、こうした歪は、階級が明確な閉鎖空間では何処にでも起こり得る事でしょう。現在だって、学校の運動部内等ではまだ生きている事はしばしば報道される通りです。だからこそ、戦争と軍隊がもたらすこの非人間性もしっかり語り継がねばなりません。

 それにしても、「陸軍残虐物語」(1963)でも見られた、西村晃さんの残虐な古参兵ぶりは本当に凄まじいなぁ。この数十年後に黄門様になろうとは誰も想像しなかっただろうな。

La Strada
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