新幹線大爆破(1975)のレビュー・感想・評価
全88件中、21~40件目を表示
最も危険なゲーム
「君が乗っているのはSLなんかじゃない、新幹線だ。今、新幹線の科学技術と管理方法が本物かどうか試されているんだ!」
国鉄本社公安本部に入った一本の脅迫電話。内容は「東京発博多行ひかり109号に爆弾を仕掛けた」というもの。爆弾には特殊発火装置が仕掛けられており、80km/h以下に減速すると爆発するという。ほどなく、同様の爆弾が仕掛けられた北海道・夕張線の貨物列車が爆発し、脅迫電話が単なるイタズラではないことが判明する。警察に突きつけられた要求は身代金500万米ドル。ひかりには乗員乗客1500人が乗っており、国鉄運転指令長・倉持(演:宇津井健)は対応に追われることになる...。
この時代特有の少々安っぽいアクション系の劇伴を除けば、アナログの面白さを存分に味わえる作品。主犯格・沖田に高倉健を、国鉄の運転指令長・倉持に宇津井健を、ひかり109号運転士に千葉真一を配し、志村喬、丹波哲郎、竜雷太、田中邦衛などが脇役から特別出演まで様々な形で登場する豪華さには驚く。本作は内容の過激さから国鉄には撮影協力を断られた。そのためミニチュアと隠し撮りによってひかり109号の映像をカバーしているが、アナログだからこその実感を持ちながら観られたのは良かった。特に序盤の浜松駅での上り新幹線との交差のシーンはCGでは絶対に出せない緊張感だったと思う。
そして各登場人物に物語があるのが本作を単なるパニック映画の枠から解き放っている。会社の命令と自分の信念との間で苦しむ倉持、社会に見放されながらも「誰も傷つけない」犯行を遂行しようとする主犯・沖田。特に沖田による「誰も傷つけない犯罪は成立し得るか」というテーマが本作を骨太にしている。今回、リバイバル上映を劇場で鑑賞したが、上映後には拍手が起こった。
しかし、犯罪である以上は「誰も傷つかない」ことはあり得ない。ドラマ「古畑任三郎」でも本作と同様、誰も傷つけない鉄道ジャックを目論んだ犯人がいた。しかしそれは「暴力を振るわない」というだけのものであり、事件によって会社の人間は処分されたり、中には責任を感じて自ら命を絶つ者もいるかもしれない。果たしてそれで「誰も傷つかない」と言えるのだろうか(因みに「古畑任三郎」では「私はね、自分の犯した罪を罪と思わない人間・・・・・・・最も憎みます」とまとめられている)。
個人的には、叶わない願いと知りながら観てみたい話がある。主犯・沖田の前日譚である。これだけの頭脳と胆力を待ち合わせながら、何故彼は社会から見放されて犯行に至ったのか?その過程を追ってみたい。
Netflixのリブート版を視聴後、続けてオリジナル版を翌日に視聴。 なかなか面白かった!
リブート版でオリジナル版のシーンが数多く採用されており、記憶が鮮明なうちに視聴したのが良かったのかも。
本作の身代金は500万ドル。
調べたら当時の日本円で約15億円なので、かなり高額な金額だったけどリブート版の1,000億円には及ばず(笑)
リブート版では車掌が主役だったけどオリジナル版は犯人が主人公のように描かれているのが印象的。
Netflix版のようなスピーディーな展開はなく、じっくりと見せる作風って感じだった。
スピード感という点では、新幹線が走行するシーンにあまり迫力がなかったのは少し残念(笑)
一方、新幹線の指令室がNetflix版とほぼ同じような作りだったのには驚く。
50年前にすでに、あの様な完成された指令室が存在していた事に感動する(笑)
当時の観客は、この映画にきっと圧倒的な迫力を感じただろうと思った。
それにしても、出演者の皆さんが若々しい!(笑)
若すぎて誰だか分からないキャストの方もいて、時の流れを感じました( ´∀`)
日本のパニック映画の金字塔
リブート版の配信に併せてNetflixで鑑賞。随分昔に観たことはあるのだが、改めてじっくり観るとエンタメ要素バッチリでハラハラドキドキ感は半端なく、かつ昭和の大スターの皆さんが紡ぐ人間ドラマも秀逸で50年前の日本映画も凄かった!と感心させられました。
東映の岡田会長の一声で「タワーリング・インフェルノ」のようなパニック映画を作れ!の号令で製作がスタート。高度経済成長の象徴である新幹線を爆破させるなどあってはならないと国鉄は協力せず、爆弾シーンはミニチュアで車内はセットだったのこと。上映は当時のずうとるびの映画と2本立てでヒットせず、しかしキネ旬の読者評価は1位。海外からの支持も受け後にこの映画にインスパイアされた作品も生まれた。
時速80kmを下回ると爆発とか並走する新幹線同士の機材の受け渡し等発想力が豊かだし二転三転する犯人との攻防も面白い。俳優陣は実直なリーダーを演じる宇津井健の苦悩の表情。共感はできない役柄だが目的達成の為淡々と計画を進める犯人を演じる高倉健。千葉真一も山本圭もいいし特別出演の丹波哲郎も居るだけで存在感がある。監督を指名された佐藤純彌にとってもヤクザ映画から脱却しこの映画で開眼し、その後の「人間の証明」「野生の証明」などの角川映画に繋がったのだと思う。
伝説的な映画を現代に甦らせ続編を作ったのがNetflixだったのが現代を象徴する。Netflix版はそちらでレビューするが、どっちが凄いか?で言うと。私はこのオリジナル版の「新幹線大爆破」を推します。映画館で観たかったです。何処かでやるかなぁ、。
25年版の後で見た
虚無感漂う1975年の時代背景を感じます
Netflix版『新幹線大爆破』(2025)を見たら、そのもととなったこちらのオリジナル版『新幹線大爆破』(1975)も見たくなりますよね。
時代的には、高度経済成長が終わり少し停滞を感じ始め、且つ、全共闘も下火になって少し時代遅れとなった頃。そう言う、虚無感を感じる世相が作品にも反映されています。犯人一派には、その虚無感が常に漂います。動機につながるシーンも、悲しいですね。
Netflix版がJR東日本の特別協力を得て撮影したのに対して、こちらのオリジナル版は“模倣犯を引き起こしかねない”という理由で当時新幹線を運用していた国鉄から協力を拒否された話は有名です。確かに、模型のシーンなどは、50年の撮影技術の差もあって、「あぁ、模型だな」とは感じますが、それでもよく撮影したとは思います。
興味深かったのは、テレビドラマで刑事役をよく見た俳優たちがやっぱり刑事役で出ていた事。この作品と、テレビドラマのどちらが先かという時系列はわかりませんが、やっぱり見た目というか、雰囲気があっての刑事役なんだなと、妙に納得しました。
なんとも後味の悪いラストシーン
今夜(2025/05/03)から数日掛けて観ました。
話題の最新作を見た後に、2時間半越えの尺で且つ50年前の作品を観るのは少し躊躇いましたが、観てよかったです。
劇中なんか8ビットみたいなピコピコBGMが流れていましたが、あれは何だったんでしょう?(笑)
新幹線車内で平然と煙草を吸うおっさんの姿は今では見られない希少種ですね(笑)
テロリストの要求に従う警察も今では考えられません。こういう時代のギャップを見比べるのが面白いです。因みに、高倉健こと沖田の元奥さんの実家の雑貨屋さんで売られるトイレットペーパーは、¥89でした😳
最新作と比べると犠牲者が出てしまうのも大きな違いです。街中で発砲、テロリストの一人が被弾したり、ダイナマイトで自爆したり、車内出産を試みるも死産だったりなど、悲惨な描写が多く感じました。
新幹線ひかりの外観は大体模型で、特撮のそれに似通っています。ただ爆発シーンに関してはCGのそれとは違い熱気が伝わってきそうな重々しい映像で、臨場感が段違いです。
借金を抱え、苦労をかけた奥さんとひとり息子のために1500人の乗客をダシにつかい、仲間と結託して爆弾テロを企てた沖田ですが、犯人逮捕のために新幹線が無事停車できた事を伏せ続けた警察の考え方と、沖田の最期はあまりにも後味の悪いものでした。
エンドロールはとても短くて拍子抜けでしたが、手書きのスタッフの文字はガッチリしていてかっこいいです✨
当時と現在の違いを楽しみつつ、爆弾テロなどの犯罪行為についてあれこれ考えながら観るのが、本作を楽しむ秘訣だと思います☝️
重みが違う…
Netflix版を見てからの鑑賞。こちらは犯人側・高倉健に焦点を当てた描き方。指令室長・宇津井健の鉄道マンとしての熱き思いも伝わってきた。Netflix版が新幹線車内のシチュエーションスリラーだったので、現代の映像技術はあるがどうしても展開に限界があったことに対して、原作は車外での犯人を追い詰める捜査を中心に描かれ、緊張感だったり、人間ドラマがあり、俳優たちの汗や息づかいが伝わってくるような重みがあった。高倉健の最期は格好良かったがエンディング曲が残念。両作品とも新幹線を爆破しようとする犯人の動機がどうしても解せなかった点は共通していた。
犯人に
高倉健さんの魅力が引き出されていました
ラストカットがカッコ良すぎる
リブート作に感嘆した勢いで、1975年の前作を鑑賞。50年前だけあって随所に古さは香るが、俳優陣が体現する緊迫感や迫力に古めかしさは微塵もなく、骨太で見応えたっぷりの映画でした。
一方で、丹念に描かれたと「評判」の犯人の心情はピンとこなかった。寧ろ、何故新幹線を狙ったのか、どうやって忍び込み、気付かれずに爆弾を設置したのか、速度で起爆する爆弾を作れる技術があったのか、潰れた零細工場は何を創っていたのか、描かれてないのが未消化だった。加えて、新幹線が止まれないから保たれていた緊迫感が最終盤で途切れて、主犯を追い詰める過程が若干もっちゃりしていて残念。
とは言え、空港での元妻の葛藤や息子の台詞は切な過ぎる。そして、最期のラストカット。どんな背景があっても動機はやはり身勝手だし、胎児や関係者2人の死も本事件が無ければ避けられた筈。主犯の沖田(高倉健)に同情する余地は全く無い......が、なんて美しく印象的なラストカット。まさに、観て良かったと思わせる映画の終わり方でした。
えぇ!?めっちゃオモロイやん!!
草彅くんのやつを観てから拝見しました。
※当方新旧どちらが良いとか言うつもりはございません。
まず、こちらの映画は悪役の主人公と国鉄側の主人公が設定されていて、双方の心情が描かれている。
故に、双方の心情に入り込みやすく、自身の心情も双方に揺れ動いた。
また、展開もスピーディーで2時間30分を感じさせない展開となっている。
演技も迫真で緊迫感が伝わり、まるで自分が新幹線の乗客、犯人側の一味、国鉄側からの一員になって観れストーリーに引き込まれた。
良作は何年経っても良作。そんな言葉があるが、まさに、この作品には当てはまると思う。
確かに映像や建物は古いが、心情や信念、そして伝えたい事は変わらないなと感じた。
だからスピードの監督もオマージュしたのだろう。納得。
皆さんも是非このスリリングで切ない体験をこのGWで是非~~~。
噂に違わず良い出来
「当時としては」だが。。。
とはいえ現代でも十分面白い。
特に設定や進行。
単に止まれないではなく、新幹線の自動停止してしまう問題を絡めてるのは上手い。そこはキアヌ・リーブスのスピードでは盛り込めず劣化していたなと感じる。
犯人側の事情も納得感がでて良い。逃がすわけにもいかないし、全員死亡という落とし所になるのは仕方ないか。最後、写真が無いという前フリから空港で元嫁に見つかるというオチも秀逸。
警察は、犯人に金を渡して乗客の解放を優先し逮捕は保留願いますという依頼に対して、そうですねと指示を改めたあたりまでは、ちょっと一味違うぞと思ってたが、いきなり柔道部に捕まえろーってやり始めたところでコケた、その後はいつも通り。。。
意外とSFマインド満載
🎦新幹線大爆破(1975版)と🎦新幹線大爆破(Netflix版)、立て続けに鑑賞。
まずは
①🎦新幹線大爆破(1975版)
出だしはかなりSFチックで今も昔も鉄オタの専門性は変わらぬトキメキがある。中盤になると社会派ドラマの色合いが強くなり高倉健のお出ましとなる。ドラマの仕立ては極めて緻密で国鉄、政府、警視庁と今でも変わぬもっとも日本的な縦割りの弊害の中、犯人と乗客が翻弄される様はまさに手に汗握る上質なスペクタルドラマとなっている。ここまで見てふと思ったのは黒澤の🎦天国と地獄、それに庵野の🎦シン・ゴジラである。ともに前者からの強い影響を感じ、さらなる後者への強い影響を感じるのである。この作品の特殊効果に成田了を見つけた時は歓喜ものである。
②🎦新幹線大爆破(Netflix版)
そしてこの作品。これはもう完全な🎦シン・ゴジラである。前半は間違いなくその見立ててでほぼ間違いのない出足。ただこの作品の光は完全に鉄道マンに当たっている。その配役のウエイト見てもそれは明らかである。しかし🎦新幹線大爆破(1975版)を🎦ゴジラに、🎦新幹線大爆破(Netflix版)を🎦シン・ゴジラにして見せる見立ては中盤からもろくも崩れだす。🎦新幹線大爆破(1975版)と🎦シン・ゴジラに極めて明確なオマージュを見せつつも、中盤からは明らかにオリジナルな展開を示し驚きの伏線回収へと物語は暴走を始める。その伏線回収のスケールの大きさは見事であり、オマージュに対するリスペクトフルネス、物語のオリジナリティへの敬意は清々しさすら覚えるのである。特に斎藤工、草彅剛、のんの三人の演技には感動すら覚え、大団円の末にはどこからとも湧き上がる涙に視界が曇るのである。
🎦天国と地獄⇒🎦新幹線大爆破(1975版)⇒🎦シン・ゴジラ⇒幹線大爆破(Netflix版)⇒🎦新幹線大爆破(1975版)への流れは日本映画史の社会性、芸術性、文学性の連続性を強く感じずにはいれない。
何回観てもメチャクチャ面白い! 50年前にこのクオリティの作品が作れた日本の映画ってやっぱり凄い!!
NETFLIXのリブート版を観る前に久々に復習
全編に渡ってダレる事なく飽きさせない迫真のストーリー展開にグイグイ引き込まれ、あっという間の2時間半で見応え充分
緊張感みなぎる力強い映像とキャスト陣の熱量の高さがものすごく、終始圧倒されます
キャスティングは中でもメインとなる高倉健さん、宇津井健さん、千葉真一さんの超豪華なキャストの熱演が素晴らしく、特に宇津井健さんが最高にカッコよかった
止まれない新幹線が障害物を回避し反対レーンに入ったことで上り車両と正面衝突スレスレでレーンチェンジし危機一髪をかわす手に汗握るシーンや物資供給のためにもう1台の列車が並走するなど、1,500人を乗せた新幹線がノンストップで疾走する圧巻のスペクタクルシーンも見せ場の1つです
高倉健さんの“ラストの姿”がメチャクチャかっこいい、アメリカン・ニューシネマ時代に作られた雰囲気が色濃く出ていて、これはこれでとても良い、なぜか悲壮感が無いのが不思議
ストーリーはちょっとだけ釈然としない部分がありました
高倉健さん達3人はなぜ建設会社への恨みなのに新幹線大爆破を進めたのか?見逃したのかな?と思っちゃいました
本作は公開と共に海外に渡り、その後の世界で作られるアクション映画に多大な影響を与えたことで有名
特に近年の数あるアクション映画の中でも傑作の1つとして数えられる『スピード』(1994)の元ネタとしても知られる日本が世界に誇るパニックアクションの傑作中の傑作です
昭和のパニック超大作!
1975年の作品です。当時、かなり話題になった覚えはあるんですが、まだ小学生だった自分には、それ程の興味は無く・・・多分、地上波の放送でチラッと見たかもしれないけど、内容も覚えてなくて今に至ります。
本作品なんですが、最近海外で再評価されているみたいで、人気が逆輸入なんて記事を見かけました。
そのせいか今回、Netflixでリブートされるということで、先ずはオリジナルを見ておこうと思っての鑑賞です。
もう、のっけから惹きつけられましたね。
この人も、この人もって感じで、懐かしい昭和のスターたちが勢ぞろいです。
高倉健さんの犯人役、悲壮感を漂わせながらも芯の強さを感じる。ホンっと渋い。
宇津井健さんも熱い人を魅せてくれます。まさに正義感のかたまりみたいな。
並んで走る新幹線で、運転手に千葉兄弟がそろった時には、思わずニンマリしちゃいました。
若い北大路欣也さんもなかなか見応えあります。
【ネタバレ】
ストーリーにも十分惹き込まれます。
新幹線がスピードを落とすと爆発する爆弾を仕掛けて身代金を要求する。ほぼ「スピード」と一緒ですね。そう思って見たんですが、なかなかどうして、「新幹線大爆破」もメチャクチャ面白かったって言うより、こっちが先なんだよね。
犯人逮捕に失敗したり、新幹線の進路に故障車があったりと、二転三転、危機また危機の連続は、ホンっと楽しませてもらいました。
昭和ならではの周りの状況も懐かしくて良かったです。
ただ、安っぽいオモチャ丸わかりの新幹線爆破場面はちょっとチープだったかな。まぁ、想像のシーンだから良しとしよう。
ちょっと余談ですが、小説版「スピード」のあとがきに、日本人が作るとバックボーンを入れたがるという記述がありました。なるほど、本作には犯人達の出会い等、描かれている部分があり、2時間半を超える大作になってます。
撮影技術の進歩があったり、スマホが日常化している現在の様子を盛り込んでいるであろうリブート版が楽しみです。
あっぱれ日本人
群像劇として見応えあり
つまらん。俄かに名作に押し上げる。嘘は駄目。
全88件中、21~40件目を表示