「何故か、国鉄より犯人を応援したくなる」新幹線大爆破(1975) La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
何故か、国鉄より犯人を応援したくなる
Netflix版の新作公開に合わせてのリバイバル上映なのでしょう、僕は50年前の公開時以来の再見です。実は、ストーリーを殆ど忘れていたので新作の様に楽しめてしまいました。中盤を過ぎて漸く展開を思い出しましたが。
当時の国鉄の協力を得られなかった為に、新幹線走行のミニチュア・モデルなどは時代を感じさせるチャチさですが、そこは仕方ありません。ただ、感心した事。已むに已まれぬ事情があって犯行に及んだという訳ではなく、犯人らは大金をせしめて海外で暮らそうという動機に過ぎぬのに、観る者は国鉄側の正義の宇津井健より、主犯の高倉健に感情移入して「うまく行ってくれ」と応援したくなってしまいました。迫り来る爆破時間切れへと言うより、彼らがうまく逃げきれるかの方にハラハラの緊張感が大きく振れました。うまい演出だな。
それにしても、今は無き食堂車た当時は新しかった車内からの電話など、僕でも懐かしの風景が各所にあったのだから、年配のテッチャンなどは感涙だろうなぁ。
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