劇場公開日 1975年7月5日

「コンピューターで停まるなら停めなくしちゃえ」新幹線大爆破(1975) 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5コンピューターで停まるなら停めなくしちゃえ

2021年9月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

パニック映画の傑作
スリルとサスペンス

この作品の存在を初めて知ったのはだいぶ前で今は亡き英知出版発行のエロ雑誌『ビデオボーイ』で連載していた杉作J太郎のコラムにて
毎回毎回イラストは下手くそだがコラムは独特で面白かった
その杉作J太郎が大絶賛していた作品

東京発博多行きの新幹線ひかり109号に爆弾が仕掛けられた
時速80キロ以下に減速すると爆破する仕掛けになっており停車することができない
爆弾犯は500万ドルを要求

爆弾犯グループのリーダー沖田に高倉健
爆弾犯グループの1人古賀に山本圭
新幹線司令室室長倉持に宇津井健
新幹線の運転手青木に千葉真一
同じく運転手に小林稔侍
新幹線公安に竜雷太
警察庁刑事部長に丹波哲郎
国鉄総裁に志村喬
乗客の1人に十勝花子
北海道在住の古賀の兄に田中邦衛
109号に並走する救援新幹線の運転手に千葉真一の実弟の矢吹二朗
刑事役に浜田晃や黒部進や北大路欣也

山本圭って昔はわりとイケメンだったんだなあ

宍戸錠の実弟の郷えい治がいかにも悪人顔
ちあきなおみの夫

109号に乗り合わせた女医役に藤田弓子
女医と自己紹介するが普通女医でなく医者と名乗るのが普通だろう
なぜあえて女医と名乗ったのか
たとえ扱うのが出産だとしても不自然
ケーシー高峰が「女医です」と言って登場するなら笑えるけど

爆弾グループのアジトは志村の廃工場
地方の人は志村といってもピンとこないだろうが板橋区
若い頃に都営三田線志村三丁目駅近くのマンションに住んでいたので懐かしい

実際にこんなことが起きたら日本人の乗客の多くはこれほど大騒ぎするだろうか
案外冷静に対応するんじゃなかろうか
あそこまでパニックにはならないような気がしてならない

爆弾の仕掛けは解除され0地点に指定された山口県の片田舎に新幹線が停車したときのBGMは『ニュルンベルクのマイスタージンガー』

時代とはいえ新幹線がいかにも模型でそれがとてもしょぼい
怪獣映画ならそれでもいいがメインは新幹線である

終わり良ければ全て良しとならないのは苦渋の決断をした倉持の辞職と最期は警察に射殺される沖田を演じたのが高倉健だということ

左翼的な論客の大多数は犯行グループに同情的だが僕はその解釈が腑に落ちない

野川新栄