劇場公開日 1966年10月15日

「日本における医療ドラマの原点」白い巨塔(1966) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0日本における医療ドラマの原点

2025年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 子供の頃にTV版白い巨塔を見てからというもの、大学病院や大きな病院にかかりたくなくなった記憶がある。実際にプロパーとして医療業界に携わったことのあるので、大学病院内にある実情には今も昔も変わらない体質があることにリアルさを感じる。教授と助教授には金銭的にも名誉的にも雲泥の差があることは事実であるし、教授選挙の裏で蠢く陰湿な部分もリアルに描いてあると思われる。TV版の再放送時にはある病院の医局で医者とともに鑑賞したが、レントゲン写真にはリアルさを欠いていたらしい。

 後半の誤診に関する訴訟問題については、充分な検査をしなかったという点も取りざたされているが、医療保険でどこまでの検査ができるのかという社会問題もテーマに取り上げられれば最高の作品になったであろう。

【2004年ケーブルテレビにて】

kossy