「キネマ旬報において圧倒的なベストワン作品だったが…」白い巨塔(1966) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
キネマ旬報において圧倒的なベストワン作品だったが…
山崎豊子作品は全て長編過ぎて
これまで読むことはなく、
「華麗なる一族」や「大地の子」等々、
全て映像作品に頼ってきた。
この映画もその一つ。
1966年のキネマ旬報のベストテン選定に
おいては、半数以上の選考委員に満点を得て
圧倒的に支持されたベストワン作品で、
山本薩夫監督の代表作の一つでもある。
この作品も原作未読を尻目に
何度か鑑賞してきたものの、
たまたまTV放映があり
またまた鑑賞した。
原作の力ではあるだろうが、
教授選考会と医療ミスの絡み合わせからの
裁判への展開など、
話としては確かに面白いし、
映画としてもダイナミックな演出に感じる。
冒頭から引き継いだ、
先任教授の頭だけをすげ替えたような
財前の大名行列的総回診のシーンも
印象深い。
しかし、登場人物が多いためか、
登場人物が類型的に描かれているきらいが
あり、何か派閥同士の陣取りゲームでも
見ているような印象だ。
それは、一部の登場人物が安直に
取り扱われているためのようでもあるが、
果たして、
原作ではどう描かれているのだろうか。
また、裁判のエンディングにおいて、
医学界の権威を守るためとは言え、
それまで敵の陣営だった東都大教授の
「財前教授にも大きな手落ちと責任がある」
と言いながら、
「卓越な医療技術を深め…教授に…」との
証言で裁判の幕引きを計る構成が
強引過ぎる気がして、
これも原作からの飛躍があるのか、
今回の鑑賞では、キネ旬NO.1映画の割には、
少し簡易的にまとめ過ぎた作品に感じた。
それにしても、現在においても
医学界に留まらす、政界や財界においても、
専門的な英知の発揮ではなく、
里見内科助教授の言葉を借りれば、
「才能がありながら、
他のことに興味を持ち過ぎる」
的立身出世者ばかりでは、
将来への危惧がますますつのるばかりだ。
田宮二郎さん、ご家族に縁の薄い方のようで、生後4日目に、父が事故で、9年後祖父、10年後母親が亡くなられています。京都の親戚で育ったとか。お父さんも財閥の大番頭とか、裕福なお家だったらしいですが。
若い頃大映で活躍してスターになったのですが、ポスターの名前の順番にこだわり、意見を通して貰った代わりに辞めさせられてしまい、TVでの仕事をすることなり、『タイムショック』の司会者。
傍ら事業にも関心がありつつ、失敗、映画を製作しても失敗。借金も増え、精神的にしんどくなる一方。それらが混ざって病気がひどくなっていったようです。
地道にあまり手を広げない方だったら、今もご存命だったかも。
ドラマ最後の2話は、亡くなった後の放送となり、30%台の高視聴率だったとか。鬼気迫るものがあったのかもしれません。
リバー•フェニックスは、薬物原因らしいですが、ご本人薬物反対を言っておられたらしいのですが、
アメリカ🇺🇸社会は、薬によっぽど気をつけないと命取りになるらしいです。 田宮二郎さんは、若い頃、勝新太郎さんとヤクザ映画が多かったようです。仰るようにお二人とも大変残念です。
こんにちは♪コメントいただきましてありがとうございました😊
田宮二郎さんのwiki読んで来ました。先に映画でやはり原作の途中までだったので、後に、TV局から打診があり、『白い巨塔』をやりたいと田宮さんから希望して制作となった中、精神的な病気で色々ありつつ撮影終了して、その年末、自らの手で‥‥。後厄というお年でした。病気を認めず、薬もきちんと飲まなかったとか。
こんばんは♪
共感していただきましてありがとうございました😊
先に唐沢寿明さん主演TVドラマ版を観てからの本作鑑賞でした。
本作、教授になったところで終わるんでしたか。あっと言う間に終わった印象でした。田宮二郎さんのTVドラマ版が一番の名作と聞いたことがあります。
それを観たい、とずっと思っています。💕