「凄く良かった!!舞台劇を三谷幸喜が映画化。」12人の優しい日本人 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
凄く良かった!!舞台劇を三谷幸喜が映画化。
なぜ12人の陪審員は、優しいのか?
前から観たいと思っていました。
1991年作品。
もともとは三谷幸喜の原作の舞台作品で、三谷と東京サンシャインボーイズの脚本で
中原俊監督が映画化しました。
アメリカ映画「12人の怒れる男」をモチーフにした映画です。
が、内容はコメディタッチで会話が楽しく、そして最後には12人全員が
真面目で優しい日本人・・・そう確認して安堵する気持ちいい映画です。
三谷幸喜脚本らしい小ネタ満載。
サプライズも散りばめられています。
ラストの守衛さんに陪審員の番号札を返すところまで、小さいネタバラシが
ありますよ(笑)
でも、ディスカッションの間に意外な事実が判明するのです。
別れた夫の復縁話に切れた若いシングルマザーが、元夫をダンプカーの前に突き飛ばして、元夫は死亡した・・・
これが、殺人なのか?正当防衛なのか?
つまり殺人なら有罪、正当防衛なら無罪の評決が出るのです。
意外な展開をします。
①ダンプカーの運転手は居眠りをしていて、クラクションを鳴らさなかった。
②おばちゃんの目撃証言・・・ブレーキ音の後に目撃しており、実際には事故後である。
③従って突き飛ばした行為を、おばちゃんは見ていない。
④被告に殺意はなかった・・・直前に取ったピザの出前の大きさ・・・5歳の子供ひとりでは
食べ切れない・・・母と子供の2人で食べるつもりだった。
それ故に、手繰り出される結論→《被害者は自殺をした》
強引と言えば強引な結論なのですが、若いシングルマザーを刑務所に入れることなく、子供が母親を失うこともない。
実に優しい結論なのですね。
今、資料を読んでいたら、
2020年5月7日。
YouTubeライブとして無料配信されたそうなんです。
メンバーも全て新しく、吉田羊そして三谷幸喜さんまで出演して、25000視聴を記録した
・・・なんですって。
古くても新しい映画ですね。観て良かったです。
(因みに若い豊川悦司が後半をさらう美味しい役でした)