就職戦線異状なし
劇場公開日:1991年6月22日
解説
激化する就職戦線を目の前にした学生たちが、その理想と現実に悩みながらも奮闘していく姿をユーモラスに描く青春映画。杉元伶一原作の同名小説の映画化で、脚本・監督は「咬みつきたい」の金子修介。共同脚本は「ハッピーエンドの物語」の福田卓郎。撮影監督は「渋滞」の高間賢治がそれぞれ担当。
1991年製作/103分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1991年6月22日
ストーリー
4月、ここ早稲田大学では「就職杯内定獲得レース」という内定目指して疾走する四年生を馬になぞらえ、後輩たちがどの馬が勝利を手にするか賭けていた。見どころはあるのにドC級な性格の大原、ひたすらマスコミに憧れ、クリエイティブな仕事にいい女にいい車を手に入れることを夢見る立川、学生ライターで大原に好意を抱く毬子、要領の良さと親のコネでしっかり超大手代理店の内々定をとっている北町。6月に入り、いまだに内定がひとつもとれない大原と立川をよそに北町は大原たちを六本木のゴージャスなナイトクラブに呼び出した。それは北町を確保しようとする某デパートの接待なのであった。そんな彼らに冷ややかな視線を送る中年男がいた。男は連れの女性・葉子を口説こうとしてフラレたばかりで面白くないのだ。売り言葉に買い言葉で男と殴り合ってしまう大原はその男をのしてしまう。就職戦線もクライマックスを迎える7月、5月に行われたエフテレビの企業セミナー(実は青田買い)で運を逃した大原と立川は、狭き門ではあるが本採用に賭けていた。ところがその面接官・雨宮は大原がナイトクラブで殴り倒した中年男だったのだ。イヤな予感がする大原だったが、その予感とは裏腹に彼は試験を次々と通過していく。そんな中でエフテレビのOLであった葉子とも再会し、好意を抱き始める大原。そんな様子を毬子は哀しげに見守るのだった。一方、前途洋々だったはずの北町は父親の急死によって故郷へ帰ることになり、マスコミ一辺倒であった立川もそんな自分の生き方に疑問を抱き、食品会社に入社してしまう。それぞれの思いが交錯する中、大原はここまで自分が残ったのは雨宮の陰謀であったと知り、落胆するが、毬子や葉子の助けもあり、何とか最終面接まで残ることになる。そして大原は内定を獲得するが、そのときにはじめてそこに自分のなりたいものがないことを知った大原は、エフテレビを捨てて自らの道を切り開いていくのだった。