「観る側にあまり考える余地はない。。。」十一人の侍 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
観る側にあまり考える余地はない。。。
1967年公開、配給・東映。
【監督】:工藤栄一
【脚本】:田坂啓、国弘威雄、鈴木則文
主な配役
【仙石隼人】:夏八木勲
【三田村健四郎】:里見浩太郎
【榊原帯刀】:南原宏治
【織江】:宮園純子
【ぬい】:大川栄子
【水野越前守】:佐藤慶
【松平斉厚】:菅貫太郎
【保科久之進】:青木義朗
ほか
志賀勝、川谷拓三、西村晃、大友柳太朗
『十一人の賊軍』に脈々と続く、集団抗争時代劇を過去に遡って観てみたい、となって、
一ヶ月の間で『十七人の忍者』、『十三人の刺客』、本作の順で鑑賞した。
監督が同じだから?なのか、
『十三人の刺客』と展開が酷似している。
(デジャヴというと失礼か。ブレない軸はok?)
横暴きわまりないバカ殿が悪事を働く
↓
バカ殿は将軍家の血筋なので、別の家がとばっちり
(幕府全体で忖度、バカ殿をかばう)
↓
仕方ない、有志が集まりバカ殿の命を狙う
↓
敵は多数、味方は少数精鋭
知恵を絞って相手を削っていく
↓
死闘の末、本懐を遂げるが主役も死ぬ
というか、敵も味方もほぼ全員死んでしまう
↓
バカ殿の死は「病死」とされる
この展開を、
当時のオトナたちはハラハラドキドキしながら、
手に汗握りながら、
スクリーンを見つめたのだろうか?
◆権力をかさに来た無法者の暴力
◆公権力は無法者の味方だから罰してくれない
◆正義の鉄槌は自分達で下すしかない
◆武士はどうあるべきか
◆武士の妻はどうあるべきか
製作サイドの価値観をグイグイ推してくる。
観る側に、考える余地を与えてはくれない。
仇討ち、つまり、「目には目を」作戦決行。
とにかく、
相手がどんなに強くても、
相手のグループに旧知の知り合いがいても、
決死隊を組織してやり返す。
赤穂浪士の焼き直し映画と感じてしまう。
47人だと多すぎるので人数しぼりました、
的な受け止めになってしまいました。
ちなみに、
松平斉厚は実在する大名だが、
将軍家の弟ではないし、
病死もしていない。
☆2.0
