「善良さが画面いっぱいに溢れている」Shall We ダンス? まるのすけさんの映画レビュー(感想・評価)
善良さが画面いっぱいに溢れている
登場人物たちの善良さがあたたかい光で照らされているよう
主人公の杉山さんは平凡な生活を送りながらどこか物足りない日々を過ごしている。
電車から見える社交ダンス教室にいた女性の遠くを見る眼差しに惹かれて教室にむかう。
そのあとは、どんどんとダンスにのめり込み、軽薄な心がけで社交ダンスに向かっていることを突き詰められ、杉山さんの妻の追跡などドキドキとさせられる場面もある。
どんな画面を見ていても、人物たちのひたむきな善良さが眩しい。
自分は社交ダンスに詳しくないけれど、コンテストの場面での懸命なダンスと画面切り替わりでいつ衝突事故が起きてしまうだろうか。とハラハラもした。
冒頭にダンスは人間が開発した快楽。という説明が入る。
竹中直人が演じるシステムエンジニアでありながらコンピュータのことがわからないキャラクタや、田口浩正・竹中直人たち男性陣の「僕は気持ち悪いですか?」という切実な訴えは快楽でむき出しにされた恥ずかしい人間性の告白のようで胸に迫った。
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