「日本初の70ミリスーパーテクニラマ!『ベン・ハー』『スパルタカス』と同じ。」釈迦 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
日本初の70ミリスーパーテクニラマ!『ベン・ハー』『スパルタカス』と同じ。
紀元前5世紀。シャカ族の王家にシッダ太子が生まれ、いきなり唯我独尊と喋った!すぐに20年後、シッダ太子(本郷)はヤショダラ王女(ソリス)をめぐって従兄のダイバ・ダッタ(勝)と争い、見事ヤショダラを妃に娶った。6年間子どもを授からなかったシッダとヤショダラ。シッダは城下を視察し、カースト制度に疑問を持ち、やがて出家する。その苦行の間、ダイバ・ダッタはしつこくヤショダラに迫り、ついに騙してヤショダラをモノにする・・・が、操を奪われたヤショダラは自害する。その非道はシッダの耳にも入るが、恨んでも仕方がないと心に閉じ込める。
子どもをさらって殺す夜叉(山田五十鈴)のエピソード。なんだこりゃ・・・
アショカ王の第一夫人(月丘夢路)からの求愛を拒んだために目を潰されたクナラ王子(市川雷蔵)と妃(山本富士子)のエピソード。山本富士子が美しい。
奴隷の娘マータンガ(叶順子)と修行僧アナンの恋物語。ここあたりから再びダイバ・ダッタが登場する。しかも神通力を使う・・・
マガダ国王アジャセ王(川口浩)のエピソード。両親と不仲であるところをダイバにつけこまれ、父王ビンビサーラを幽閉する。さらに仏陀一門を解散させるために、改宗しなければ処刑させるという振る舞いに出た。しかし、仏法を捨てるなら命も惜しまないという信者が出てくると、アジャセも考えを改める。なんというか、象を怪獣のように扱ってるところが笑える。そして、出生の秘密を聞くにあたって、杉村春子の熱演によってちょいと泣けてくる・・・
終盤では、マガダ国の神殿造りと、破壊されるシーンが圧巻。最後までダイバちゃんは僧侶たちを殺そうとするが、神が怒っちゃったのね。地割れに落ちちゃっても、救われるところが神の偉大さ。なんとなく『サムソンとデリラ』を思い起こすシーンでもあった。