劇場公開日 1996年2月24日

「いやぁ~、この映画って、本っ当に酷いもんですね~。」シベリア超特急 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5いやぁ~、この映画って、本っ当に酷いもんですね~。

2017年4月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

映画評論家の故・水野晴郎が“MIKE MIZNO”名義で監督・製作・脚本・主演。
日本映画史に残る伝説的な“迷”作と言われるこのシリーズ、記念すべき1作目を初見。
いやぁ~、評判に違わぬケッ作!

まずびっくりしたのが、山下奉文陸軍大将って実在の人物だったんだ…。
冒頭、白黒の記録映像で偉業や人物像を紹介。
そして本編始まり、我らが水野大将が堂々たるぎこちなさで登場するだけで、何故か笑いが込み上げてくる。
椅子に座り、目を瞑り(眠いんですか?)、腕を組み、今か今かと待ちかねた第一声!
その神がかった棒読み&抑制の無い喋り方は、少ないちんけな華ナシキャストの中に於いても一際浮いた存在感を放つ。
ゆるキャラみたいな水野大将が堪らなく癖になってしまう。

話は、
1941年、ヨーロッパ視察を終えた山下大将が乗り込んだシベリア超特急。
ソ連から満州へ向かうその列車内で、殺人事件が…!

ヒッチコックの「バルカン超特急」を思わせるタイトルと、アガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」を思わせる密室ミステリー。
映画にうってつけの題材で、一応話もあるが、本作の見所はそこじゃない。

チープな映像、安っぽい美術。
かたせ梨乃以外誰も知らんキャストなので、どんな劇的な場面でも全く盛り上がらない。
山下大将の部下が、走ってる列車の部屋の窓から隣の部屋へ入ろうとする離れ業!
髪も服も揺れず停まってるかのようなスピード感の無い列車の上で繰り広げられる攻防。
でも極めつけは、水野大将の超推理!
現場検証は部下二人に任せ、閣下は一歩も足を踏み入れる事無く、自室でずっと椅子に座ったまま目を瞑って(眠いんですか?)部下の報告だけで推理するという、右京さんもコナンくんも真っ青!
ラスト、カメラ目線で戦争の悲劇を訴え、クッサイエンディング主題歌が終わると、本作が“迷”作と言われる所以のもう一幕&大どんでん返し!
なるほど、冒頭の意味不明な映像は驚異的な伏線だったのか…!

映画評論家は映画を見る専門家であって、映画作りは素人。
しかし、この水野ワールドは確かにカルトだ。
でも、後は見なくていいや…(^^;

近大
近大さんのコメント
2017年4月20日

みつまるさん

これは誰得映画と問われたら、水野大将ただ一人でしょうね。
ある意味注目を集め、ある意味人気になり、水野大将のスーパー自己満映画でした(^^;

近大